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【奈绪美的故事(日文版)】(9-13)作者:高野奈绪美

2024-05-15 20:19:35

ある性転者の告白
高野奈绪美

第9章-1

  朦胧とした意识の中で目覚めたのは、杀风景な病室のベッドの上でした。

  私の不完全な意识は、かすかな记忆の糸を辿っていました。

  (そうだ、僕は、手术を受けたんだ。身体の女性化を止め、完全に元の状态に戻すための・・・・。そうだ、医者は成功の确率は五十%だと言っていた。と言うことは、こうして意识があると言うことは・・・そうか、成功したんだ。手术は成功したんだ。やった・・・。よかった・・・助かったんだ・・・。)

  私は心の中で叫びつづけました。両方の瞳からは、命が救われた喜びに热い涙が溢れてくるのがわかりました。

  「あ、気づいたのね?よかったわね・・・手术は成功ですって。」

  私の意识が戻ったことに気づき、凉子が优しげな口调で话しかけてきました。

  私は、その言叶に応えるように、ベッドから起きあがろうとしましたが、その瞬间、ズキンという钝い痛みが全身に走りました。

  「い、痛っ・・・、痛いっ・・・。」

  「あらあら、まだ起きちゃだめよ。大きな手术だったんだから・・・。」

  凉子のいたわるような言叶に、私は小さく颔くと、

  「手、手术はうまくいったんだよね?僕は助かるんだよね?」

  と、思わず、忘れかけていた男の口调で寻ねました。

  私は一瞬ハッとしました。村井がこちらに视线を送っているのに気づいたからです。また胁されるのではと思い、たじろぎましたが、村井の言叶は意外にも优しげなものでした。

  「ああ、成功だ。完全に治ったそうだ。」

  私は、『完全に治った』というその言叶を闻き、身体の力が抜けるほどの安堵感を覚えました。同时に、さすがの村井でも手术后の人间になら、优しさを见せることができる。つまり、彼にも良心のかけらくらいは残っているんだということを知り、私の安堵感は一层増したのです。

  しかし、そんな安堵感は、一瞬にして消え去りました。

  次に凉子の口から発せられた言叶は私の心を奈落の底に突き落として余りあるものだったのです。

  「それにしても、こんな手术に同意するなんて、あなたも、すっかり変わったわね。それとも、みんなに可爱がられて、男に戻る気がなくなっちゃったのかしら・・・?ね?村井ちゃん?」

  「ああ、そうかもな。『一生、奈绪美ちゃんでいたいの』・・・なんてな。アハハハ・・・。」

  私には二人の会话の意味がまったく理解できませんでした。しかし、何か邪悪な企みが実行されたことだけは、その雰囲気からわかります。私は、体中に走る钝い痛みに抗いながら、横になったまま両手を伸ばすと、あの思春期の少女のような膨らみを示していた胸に触れてみました。

  「こ、こんな、こんなことって・・・」

  その瞬间、あまりの冲撃に心臓が止まりそうになりました。

  あの思春期の少女のような膨らみはすっかり姿を変えていました。いえ、なくなっていたのではありません。それは、より大きな、いえ、豊満な乳房に姿を変えていたのです。しかも、その先端には、女性特有のツンと突き出た乳首と、それを取り囲むように丸い乳轮さえ示しています。

  「あああ・・・、なん・・・なんてこと・・・」

  あまりの冲撃に、私の口から発せられたのは、言叶にならないうめき声だけでした。

  「フフフ・・・、どう?Dカップのバスト・・・気に入った?私も奈绪美ちゃんが寝てる间に触ってみたけど、すごいじゃない?本物そっくり・・・。これなら、もっともっとみんなに可爱がってもらえるわよ。よかったわねぇ・・・。フフフフ・・・。」

  「い、いやだ・・・も、戻してくれっ・・・お、お愿いだ・・・元に戻してくれ・・・」

  私はありったけの声を振り绞って叫び、両手足をこれでもかとバタつかせ、ベッドから飞び起きようとしました。しかし、その瞬间、全身を贯く耐えられないほどの激痛に意识を失ってしまったのです。

第9章-2

  私の意识が再び戻るまでに、一体どのくらいの时が経ったでしょうか。

  ただ意识が戻って、最初に気づいたのは、両足がそれぞれベッドの脚に缚りつけられていることでした。

  私は、そんな逃げ出すことのできない状态で、施された手术の全容を告げられたのでした。

  小岛によって行われた手术は、男である私の胸に、豊満なDカップの乳房を与えただけの生やさしいものではありませんでした。(それだけでも、十分冲撃的なものではありましたが。)

  手术后の痛みが下半身からも生じていることに気づいて、私は背筋が冻る程の恐怖に震えながらも、男であることの証があるべき所に、自由になる右手を、恐る恐る伸ばしてみました。

  「あ、ある、あった。」

  力の抜けるほどの安堵感に包まれました。包帯ごしではありましたが、大量の女性ホルモンの服用によって小さくなったとはいえ、男である証・・・ペニスの感触が确実に伝わってきたのです。

  しかし、さらに指先を后方に这わせてみると、阴嚢の部分にあったはずの睾丸の丸い膨らみが、まったく感じられません。平面的で、ペタッと皮肤が付着している感触しかありません。

  「い・・・一体、な・・・何をしたんだ・・・?お前たちっ・・・。」

  私は、病室中に响き渡るような、大声で叫びました。

  凉子はフッと冷たい笑いを浮かべて、手にしていた纸切れを差し出すのです。

  「だって、あなたがサインしたんでしょ・・・? この同意书に・・・。ねえ、村井ちゃん?」

  凉子の问いかけに、村井も黙って颔きました。二人の表情には胜ち夸ったような会心の笑みが浮かんでいました。

  私は、凉子から渡された同意书、つまり、私がサインをしてしまった手术同意书に目を通しました。确かに表侧には、あの时、确认した文面と、その手术を同意するためのサインしか书かれていません。しかし、裏返して见るとサインをした时にはその存在すら気づかなかった内容の文面が书かれていたのです。

  『患者、高野直树は、以下の手术を受けることを同意いたします。

  1,性同一性症治疗のための睾丸摘出及び豊胸手术

  2,継続的なホルモン治疗のための高浓度女性ホルモンの体内埋め込み手术

  3,付属して、ピアス用の穴开け施术 』

第9章-3

  「な・・・なんてことを・・・。お・・・お前たち、僕を、だましたんだな・・・?」

  私は、その时になって初めて、彼らの言动がすべて私を陥れるための邪悪な罠だったことに気づかされたのでした。

  凉子が长期间に渡り、精神安定剤入りの痛み止めと称して、私に饮ませていたのは、高浓度の女性ホルモンを含有するもので、そのために、私の体が女性化し始め、知り合いの医者と组んで伪りの病名をでっち上げ、さらに死への恐怖心をあおりながら、まるで私が、自らの意志で进んで手术を受けるかのような状况を作り上げたのです。

  しかも、豊胸手术の前に、锭剤による长期间のホルモン服用を行ったのは、わずかながらでも膨らんだ段阶で行った方が自然で女性的な胸を作れるからという医者からのアドバイスを受けた结果であり、彼らの企みが、周到に计画されたものであったことの証でもあります。

  (ああ、僕は・・・僕はもう・・・男ではなくなってしまった・・・)

  私は、彼らに対する抑えきれない怒りと、后悔の为に、全身の震えが止まりませんでした。しかも、そうしている间も、体内には、高浓度・高密度の女性ホルモンが全身に流れ、女性化を促しているのです。さらにそれを抑えるべき男性ホルモンは、睾丸を摘出したことで生成されなくなってしまっています。つまり、私は、もはや男として机能を失い、限りなく本物の女性に近づくプロセスを歩み始めているのです。

  そんな絶望感から、私は、抑えきれない激情から、契约のことなどすっかり头から消え去っていて、使い惯れた男言叶で堂々と彼らに向かって骂詈雑言を浴びせかけました。さらには、近くにあったコップをつかみ、思い切って村井の方に向かって投げつけました。コップはバリンという金属音を残し、ドアノブに当たると、小さな、ガラス片になって粉々に砕け散りました。

  その瞬间、村井の顔が鬼のような形相に変わり、ベッドに近づいたかと思うと、私の頬を思い切り强く殴りつけたのです。

  「いい加减にしろ。お前が同意したんじゃないか。俺たちはお前にどうするか、寻ねたんだぜ。」

  「そ・・そんな・・・裏に手术の内容が书いてあるなんて、一言も言わなかったじゃないか。全部、お前たちの罠だったんだ。」

  「裏を见て、确かめなかったのは、お前のせいだろうが・・・。でも、まあな、俺たちも鬼じゃねえよ。」

  村井はそう言うと、优しげな表情に戻り、谕すような口调で言いました。

  「お前の胸はシリコン入れただけだからな、いつだって取り出せるんだ。それに、体の中に入れたホルモンだって、いつでも取り出せる。」

  「で、でも、去势手术は・・・もう、絶対にやり直せないじゃないかっ・・・。」

  「それだって、お前の睾丸は、ちゃんと保管してあるから安心しろ。契约が终われば、お前は自由の身だ。そうすれば、ちゃんと元に戻してやるんだ。嘘じゃねぇ・・・。」

  「・・・・・・・」

  私は、その言叶に耳を疑い、无言で凉子の方に视线を送りました。凉子はそれに応えるように大きく颔いてみせました。

  「ほ、ホントか?本当に元に戻れるのか?」

  もちろん、村井の言叶はにわかかには信じがたい内容です。ん。しかし、藁にもすがりたい心境であった私には、その言叶に期待を寄せるしかなかったのです。

  「ああ、本当だとも・・・。なあ、凉子?」

  「本当よ。私だって、契约が终わってまで、あなたを女のままにしておきたいって思ってるわけじゃないもの。契约が终われば、男に戻してあげるから、结花って女と一绪になったらいいじゃない。私たちは、この契约の间だけ、あなたにできる限り、本物の女に近づいていてもらいたいって思っただけよ・・・。だから、その証拠にそこは残しておいてあげたじゃない?」

  凉子はそう言うと、私の下半身を指さしたのでした。

  确かにそうです。もしも私に复讐を果たすつもりなら、この手术でペニスまで除去し、完全な女に作り替えてしまう方が、よかったはずなのです。と言うことは、彼らの言っている、元に戻すという话も、もしかしたら本心なのかもしれない。私はわずかばかり残った、理性の欠片を総动员して、できる限り心を落ち着けて考えました。

  悬命な皆さんなら、摘出した睾丸を元に戻すなんて话が作り话であることは、おわかりでしょう。しかし、愚かな私は、后に运命の瞬间を迎えた时に、初めてそのことに気づくことになるのです。ここでは、彼らが、私へのあまりにも阴湿な计画を実施するために、あえて、男としての最后の証であるペニスを残したということだけをお伝えしておきます。

  「しかし、もし、お前が俺たちの指示に少しでも反抗的な态度をとったら、お前のキン○○は、処分してやるからな。そうなれば、たとえどんな手术をしても、二度と男には戻れないんだからな。わかったな。」

  村井は、わずかながらも希望を持ちかけているのを、私の表情から読みとったのでしょう。ゆっくりと谕すような口调で言いました。

  私には、かすかだろうと、すがれる希望の灯は他にありません。心は决まりました。

  「わかりました。男に・・・男に戻してもらえるんなら、どんなことでもします。二度と反抗的な态度は・・・とりません。ですから、どうか、処分するのだけは・・・・それだけは、お止めください・・・。」

  私は、卑屈にも、その憎むべき行为を指示した村井に向かって哀愿したのです。それは、まるで、子犬が主人にすがりつくような屈辱的な姿でした。

第10章

  悪梦のような手术から约二週间后、ようやく退院の许可が出ました。

  ベッドから起きあがって、まず最初に感じたのは、自分の身体の重みでした。いいえ、决して体重が増えたのではありません。むしろ体重は、入院前に比べ、五キロも减り、

  五十キロを切っていました。二週间もの间、ずっとベッドに横になっていたために全身の筋力が衰え、细く弱々しい脚が、减少した体重さえ重いと感じ取ってしまったからだと思います。そして、その后、今に至るまで、细くしなやかになった手脚に男性として生きていた时代の筋肉が戻ることはありませんでした。体内に流れる大量の女性ホルモンが、その形成を决して许すことはありませんでした。

  私は自らの身体の変化を実感しなければと思い、ふらつく足取りで立ち上がりました。と、その时、今までに経験したこともない感覚に袭われたのです。それは、私の両肩にかかる胸の重みでした。Dカップの豊満な膨らみが、私の动きに呼応するように、上下左右に揺れ、その揺れが肩にまで伝わってくるのです。この「胸が揺れるという感触」は、それまで、屋敷の中で毎日身に着けていたシリコンパットでも感じてはいましたが、それはあくまで、「胸のあたりが揺れている」という感覚であって、「胸そのものが揺れている」という感覚とは全く异なっていました。つまり、一体感がまるで违うのです。 パジャマのボタンを二つ外し、视线を落としてみると、そこには、くっきりとした双乳の深い谷间が见えます。

  私は恐る恐る手を伸ばし、その双乳に触れてみました。ポワンとした柔らかな感触が指先に伝わると同时に、胸の方からも、指先の接触を感じたのです。そんなこと、神経が通っているのだから当たり前のことなのですが、その时の私は、その柔らかな肉のかたまりが自分の肉体の一部になっているという现実を思い知らされ、呆然と力が抜けていくのがわかりました。

  手术によってもたらされた身体の変化は胸だけに止まりません。

  包帯が外された后、初めて一人でトイレに行った时に経験した出来事がもたらした冲撃は、今でもはっきり覚えています。

  それまでベッドから一歩も出ずに、用を足すのも看护士の手を借りていた私は、自分のその部分にそれほどまでの変化が生じているとは実感していませんでした。

  长期に渡る女性化调教のせいで、私の足は自然と女子トイレへと向かいました。そしてトイレの中に入ろうとドアを开けた时、ちょうど入れ违いに30歳くらいの一人の女性が入れ违いにトイレから出てきたのです。私は、一瞬ハッとしました。なぜなら、その时の私は、全くのノーメイクだったからです。男が病院の女子トイレに入るのを目撃したその女性が大声を上げるのではと思いました。でも意外にも、女性は私の顔を见るなり、にっこり微笑み、小さく会釈までしたのです。

  パジャマ越しにでもわかる胸の膨らみのせいなのでしょうか。それとも、长期间にわたる女性ホルモンの投与によって作られた、ふくよかなヒップラインのせいなのでしょうか。いえ、もしかしたら、やはり女性ホルモンの投与により、女性的になったフェイスラインによって、たとえノーメイクでも男性としての特色をすっかり消し去っていたのかもしれません。

  いずれにせよ、その时の私は他の人から见れば、女性そのものであり、女子トイレに堂々と入っても不自然ではない存在になっているのは明らかでした。私は大騒ぎにならなかったことにホッとはしたものの、同时に、自らに突きつけられた现実を改めて思いしらされたのでした。

  次に奥の个室のドアを开け、中に入ると、そのままパジャマのズボンを膝までおろしました。尿意がかなり迫っていたので、立ったまま用を足そうと思ったからです。私は女性用のショーツを身につけていたにも関わらす、その脇から自分のペニスを引き出そうと手を入れました。

  ところが、手に伝わってきた感触は、ペニスと呼ぶにはあまりにも頼りなく、小さく细い、まるで大きめの「デキモノ」に触れたような感触だったのです。女性用の伸缩性の高いショーツから小さな「デキモノ」を引っ张り出すことはかなり困难でした。私は、そのまま漏らしてしまいそうになり、あわててショーツを膝まで下げると、便座に腰挂け用を足しました。

  上から见下ろすと、「デキモノ」の先端からは、一本の筋となって尿が出ているのがわかります。つまり、その「デキモノ」こそが、私の変わり果ててペニスそのものだったのです。よく见れば、それは小指の第2関节ほどの长さしかありません。

  そして、尿の解放が终わった后、「デキモノ」を裏返し、その后ろを见ると、あったはずの二つの睾丸の丸いふくらみは姿を消し、ただ阴嚢の皮肤がだぶついているだけなのです。しかも、もっとよく确认しようと、目を近づけようとすると、今度は豊かな胸の膨らみが视界を遮るのです。

  (ああ・・・とうとう・・・こんな身体になってしまった・・・。あああ・・・。)

  私は、その个室の中で呜咽しました。屈辱と后悔と情けなさといった、言叶にできない多くの感情が一度に络まり合って、心に迫ってくるのでした。

  (で・・・でも、一生このまま元に戻れない訳じゃないんだ。残り、たった一月・・・たった一月辛抱すれば、元に戻れるんだから・・・。)

  私は彼らの言叶を信じ、そう自分に言い闻かせると、かすかな勇気と希望が沸いてくるのを感じたのです。

第11章-1

  约二週间ぶりの屋敷は、なぜか以前と违った印象を受けました。いえ、どこと言って変わったわけではありません。変わったのは屋敷の方ではなく、庭から屋敷を见上げている私の方だったのですが・・・。

  私は、歩を进めるたびにプルンプルンと柔らかな揺れを示す、豊かな双乳の感触に、相変わらずの违和感を覚えながら、屋敷の玄関へと足を踏み入れました。

  その日は、まっすぐに部屋に入ると、一歩も外には出ませんでした。夜になり、あの希望のカレンダーに入院中の约二週间分の×印をつけ、约束までの残りの日数を数えました。

  (もう少し・・・、もう少しだ・・・。あと35日・・・。身体を元に戻してもらうためにも、そして晴れて结花と再会するためにも、耐え抜かなくては・・・。そのためには、村井たちの机嫌を损ねないように・・・。がんばれ・・・がんばるんだ。)

  私は、そんな言叶を何度も独り言のように呟くと、自分を勇気づけたのでした。

  翌朝、目覚めた私は、いつものようにドアの下に置かれたメモを取りあげると、支度を始めました。

  その日の指示は、ショッキングピンクのソフトボディコンのワンピースで、その昔、ディスコなどでいわゆるイケイケギャルと呼ばれる女の子たちが身につけていたような、派手なデザインの服でした。

  私は深く大きなため息を一つすると、意を决したように、ドレッサーから指示されたワンピースを取り出し、専用のランジェリーボックスから、同系色のフロントホックのブラジャーとハイレグのパンティを取り出しました。

  男性として筋肉をすっかり失ってほっそりとした、そしてむだ毛の全く生えていないなめらかな脚先から、パンティの持つシルクのスルっとした滑るような感触が、少しずつ上に移动していきます。

  そして最后にグッとウエストに向かって引き上げた时、股间にはほとんど异物感がなく、しっかりとしたフィット感だけが伝わってきました。私は改めて、睾丸を失い、矮小化したペニスしか持っていない自分の姿を认识したのです。

  いえ、それは感触だけではありません。パンティを身につけた姿を镜に映し出してみると、股间にはほとんど盛り上がりがなく、代わりに、ふくよかで丸い大きめの线を描くヒップラインが际だっています。

  次に同系色のブラジャーを手にとると、それまでの癖でシリコンパットに手を伸ばそうとしました。けれども、パットはどこにも见つかりません。

  そうです。シリコンパットは凉子たちによって廃弃されたのでしょう。なぜって、私にはそんな拟似的な巨乳を作るような道具はもはや不要になっていたからです。両の胸には、大きくふくよかなDカップの双乳が、呼吸にあわせて上下に波打っているのです。

  私は、厳然たる事実に、涙が溢れてきましたが、もちろんその场を逃れることなどできないことはわかっています。

  私は涙を拭って、ブラジャーの肩ひもに腕を通し、豊満な膨らみの全てをカップの中に収めると、少しずつ位置を调节しながら、フロントホックを留めました。

  シリコンパットによらない、自然な胸の膨らみは、カップサイズと寸分の狂いもなく、フィットしています。その感触は二つの豊かな膨らみが、もう简単には取り外すこのできない身体の一部であることを実感させるものでした。

  私は、ブラ越しの感触を确かめるように、カップ全体を手のひらでさすってみました。そして指先が、ツンと突き出した女性特有の乳首の先端に触れた瞬间、全身に生まれた初めて経験する、ゾクッとするような感覚を覚えたのです。

  (な・・・何?こ・・・この感覚・・・これが・・もしかしたら・・・女の感覚?)

  慌てて手を引っ込めましたが、もう一度、未知の感覚を确かめようと、今度は强めに指先をあててみました。

  「アンッ・・・」

  ゾクッとする感覚が、再び全身を駆け抜け、思わず口元からかすかな声がこぼれました。

  私は背筋に恐怖を感じ、指を离しました。それは、男としての感覚を失いたくないという无意识のうちの本能のなせるわざだったのかもしれません。

  姿见に映し出された私のランジェリー姿は、自分で言うのもおかしいのですが、完璧なまでの美しい女性的な曲线を描いています。

  豊かなバストとふくよかなヒップラインを强调するようにきゅっとくびれたウエストラインは、もうコルセットも必要なくなったことを実感させてくれます。さらに女性ホルモンの影响で透き通るように白く木理の细かくなった肌と、女性的な顔立ちとが、女らしいランジェリー姿にマッチしていて全く违和感がありません。

  いいえ、もちろん、そんなことを喜んでいたわけではありません。

  身体中に常时流れる高密度の女性ホルモンによって、これからもますます女性化が进むのだと思うと、本当に元の身体に戻ることなどできるのだろうかという、言いようもない不安な思いだけが强まっていきました。

  しかし、私には彼らの言叶を信じるより他にすべはないのです。

  私は全ての邪念を振り払うかのように、一度大きくかぶりを振ると、ショッキングピンクのワンピースを手に取り、両手で広げてみました。素材は、ちょっと大きめのタオルのようで、広げてみなければとてもワンピースとは思えません。けれども、以前にも同様の服を着せられたことのあったので、それが优れた伸缩性を持ち、172センチと女性にしてはかなり长身の私の身体をも包み込んでくれることを知っていましたから、大して不思议な感じは持ちませんでした。

  私は、その柔らかなタオルのような布きれを丸めると、脚から上に引き上げていきました。ファスナーの付いていないボディコンのワンピースは、水着のように、そういう着方をするものだということを凉子から教えられていたからです。

  伸缩性のある素材が身体にピタッと张り付くように、引き上がっていきます。ところが、お尻のあたりを通そうとすると、かなり穷屈でなかなか上がってくれないのです。以前にそのような服を着せられた时には、ヒップパットを着用していたのに、そんなことはありませんでした。それは、自分のヒップサイズが、パットによって作られたサイズを上回ってしまったことの証だったのです。

  私は悲しみを振り払うかのように、腕に力を込め、ワンピースを胸の高さまで一気に引き上げると、袖に腕を通しました。ぎゅうっと缔め付けられるような感触が全身から伝わってきます。

  私は头を上げ、视线を目の前の姿见に移しました。

  ショッキングピンクの布きれが、私のDカップのブラジャーの辺りに全て丸まったように集まっていて、おヘソから下の部分は完全に露出状态でした。セクシーなハイレグのパンティも露わになったままです。

  私は力を込めて引き上げたせいだと思って、裾を持つと、今度はそれを下に引き下げてみました。と、その瞬间、私は、目の前に映る自分の姿に愕然とし、白かった頬に一気に赤みが差していくのがわかりました。

  「な、何・・・? こ・・・この服・・・」

  それは胸元が大きくカットされていて、そのままではフルカップのブラジャーの上部が露出しているのです。またウエスト周りは、かなり薄い透过性のシースルーになっていて、一见すると素肌が露出しているに见えてしまいます。しかも、スカート部分の丈は、股下数センチほどの超マイクロミニで、女性ホルモンの働きによってもたらされた、うっすらと脂肪がのった太股と、それに続く细くしなやかな二本の脚を露出しています。

  私はとっさに、露出しているブラジャーを隠そうと、全体を引き上げてみました。しかし、そうすると裾はさらに持ち上がり、丸みを帯びたヒップを覆うパンティが顔を覗かせてしまうのです。

第11章-2

  「いつまで、かかってるのっ・・・? 遅いじゃ・・・」

  私が姿见の前で呆然と立ちつくしていた时、いきなりドアが开き、凉子が厳しい表情を浮かべながら、入ってきました。けれども、その表情も私の姿を视界に捉えると、みるみる柔らかいものに変わっていきました。

  「お、惊いたぁ・・・すごいじゃない・・・ホント、女の目から见ても、うっとりするくらいのスタイル・・・。それに、その服もセクシーじゃない・・・」

  凉子は、そばに近寄り、姿见に映る私の全身をなめ回すような视线で眺めたのです。

  「で・・・でも・・・これ・・・小さすぎて・・・。」

  私は镜越しに、凉子を诉えるような目で见つめながら、ワンピースの引き上げと引き下げを缲り返して见せたのです。 

  「あら、そんなことないわよ。だって、こういう服着るときは、ノーブラに决まってるもの。」

  凉子はそう言うと、いきなりワンピースの中に手を入れ、ブラジャーの前ホックとストラップを外し、するっと抜き去ったのです。

  「ほら、こうすれば、全然気にならないでしょ?ね?」

  「で・・・でも・・・これじゃ・・・・は・・・耻ずかしい・・・」

  确かにブラジャーの露出はなくなりました。しかし、フィット感のある素材が、大きくて丸みのある胸の形をはっきりと示し、広く开いた胸元からは、豊かな双乳の作る、深い谷间を晒しているのです。しかも、ツンと突き出た乳首が服の上からもその突出をを示しています。

  「やっぱり、本物はいいわよねぇ・・・。ほら、乳首まで・・・、ねぇ、ちょっと触らせてみて・・・いいでしょ? 女同士なんだから・・・フフフ・・・」

  凉子は、私の胸に両手を伸ばして、全体を包むようにしたかと思うと、ゆっくりとその感触を确かめるようになで回し、さらには下から全体を持ち上げてみたり、指先でポンポンと弾ませるように弄びました。

  「イ・・・イヤ・・・耻ずかしい・・・です・・・・」

  男の身でありながら、妻の手で乳房を弄ばれるというあまりに耻辱的な行为に、思わず、身をよじりました。

  しかし、そんな私の反応が、凉子のサディスティックな嗜好を刺激したのか、手を离すどころか、よりいっそう力を込めて、弄び続けるのでした。

  「ねぇ? どんな感じ? 男のくせに巨乳を揉まれるのって・・・フフフ・・・」

  「は・・・耻ずかしい・・・耻ずかしいです・・・りょ・・・凉・・・い、いえ、お・・お姉様・・・止めて・・・お愿い・・・」

  自分の身体が元の男の姿に戻るまでは、一切の抵抗をしないと心に誓っていた私は、凉子の机嫌を损ねないように言叶を选びながら哀愿しました。

  「ウソ! ホントは耻ずかしいんじゃなくて、感じちゃうんじゃない? ホントの女の子みたいに・・・。」

  「そ、そんなこと・・・そんなことないです。だって、ホントはお・・男なんですから・・・」

  それは本心からの言叶でした。いくら本物そっくりに作った胸の膨らみとは言え、そこを刺激されて、女性としての性感を覚えるということなどあるはずがないと思っていたからです。

  でも、それは间违いでした。私の身体の中にはずっと高浓度の女性ホルモンが流れていて、その効果による内部からの女性化がどんどん进行していることを忘れていたのです。

  「あら、そうかしら?そうは、见えないけど・・・じゃ、これはどう?これでも、感じない?」

  凉子は、服の上からツンと突き出ている乳首を、その指先で弄び始めたのです。

  その瞬间、全身を未知の感覚が駆け抜けていきました。

  「アン・・イヤ・・・アアン・・・。」

  私は思わず、小さな喘ぎ声を出しました。

  凉子の指先は、小さな振动を缲り返しながら乳首を刺激し続けます。その动きに反応するかのように、全身に电流のようなゾクッとする性感の高まりが走りぬけていきました。

  「アア・・・・、ダメ・・・、お・・・お愿い・・・ヤメテ・・・」

  「フフフ・・・、やっぱり感じてるんじゃない。ダメよ、ウソ言っちゃ・・・。女の子は胸が感じて当たり前なのよ。あ、ごめんなさい。あなたホントは男だったのよね。でも、男ならこんなに乳首が敏感なわけないし・・・だから、もうホントの女の子になっちゃったってわけね アハハハ・・・」

  凉子は大きな笑い声を上げると、弄んでいた指先をさっと离しました。

  「さ、早く支度しなさい。みんな待ってるんだから・・・。」  

  私は凉子に促されるまま、ドレッサーの前に座りました。

第11章-3

  その后、时折凉子からの指示を受けながら、自らの手で、その日の派手なワンピースに合う、かなり浓いめのメイクを施し、肩までのびるストレートロングのヘアウィッグをつけ、最后に光沢のある黒いストッキングに包まれた足先に白いミュールを通しました。

  「うーん、完璧・・・、ホントにセクシーな女の子になったわ。うん。ホントに・・・。」

  凉子は、支度を终えた私の全身を眺め回すと、改めて感心した口调で言いました。

  「あ、そうそう。素敌な女の子になった奈绪美ちゃんに、お祝いのプレゼントがあるのよ。」

  凉子は、バックから小さな小箱を出すと、その中からゴールドに辉くリング状のものを取り出しました。そして、私のストレートロングのウィッグを掻き上げると、耳に近づけたのです。

  「うん、これなら似合いそうね・・・・。うん。」

  凉子は纳得したように言うと、リングの先にある细い针のような部分を私の耳たぶに刺したのです。

  「イ・・イたっ・・・」

  耳たぶから、チクッとする痛みが走り思わず、小さな声を上げました。

  「うーん、やっぱり、ピアスの穴を开けてもらって、正解ね・・・。イヤリングよりオシャレだもの。それに、これ、奈绪美ちゃんにぴったり。よく似合ってるわ。」

  姿见に映る私の両耳に大きなゴールドのリングが揺れています。そんな派手なピアスを付けた姿は、印象もがらりと华やかに変わって见えます。

  準备を全て整えると、凉子と共に部屋を出ました。

  「いいわね、これから、改めて、生まれ変わった奈绪美ちゃんをみんなに绍介するんだから、さっき指示した通りにしなくちゃだめよ。そうしないと、奈绪美ちゃんのタマタマ、処分してもらうからね。そうしたら、男には二度と戻れないんだから、わかってるわね?」

  リビングに向かう长い廊下を歩いている时、凉子は强い口调で念を押しました。

  準备が终わって、见事なまでに挑発的で悩杀的な女性に姿を変えた全身を、ミラー越しに见て、深いため息をつく私に凉子は追いうちをかけるように冷酷な指示をしたのです。

  それは、详细を知らされていない本城と田中には、私が长期间にわたる女性化指导のせいで、心の中に女性愿望が目覚め、自らの意志で豊胸手术や去势手术を受けたと言ってあるから、彼らの前ではそのように演じるようにという指示でした。

  もちろん、そんなことは全くのデタラメですが、凉子のこの指示に逆らうことはできません。何しろ、私が男に戻ることができるかどうか决め手は彼らの手に握られているのですから。私は、ただ黙って颔きくことしかできませんでした。

  「こ・・・こりゃ、すげぇや・・・ホントにいい女だぁ・・。」

  リビングに入った私を一目见るなり、村井が感叹の声を上げました。

  「ホ、ホントに・・・すげぇ・・・。」

  「ああ、これが、男だなんてなぁ・・・惊きだぜ、全く・・・。」

  村井に続いて、田中と本城も口々に惊きの声を上げました。

  「じゃ、改めて绍介するわね。生まれ変わった奈绪美ちゃんでーす。どう?色っぽいでしょ?女の私が见ても、そう思うんだから・・・。男から见たら、たまんないって感じでしょ? フフフ・・・。さあ、奈绪美ちゃん、自己绍介なさい。」

  凉子は私の背中を軽く押し、それから村井たちの座るソファの端に腰を降ろしました。

  逃げ出したくなるほどの羞耻心の中で、しばらく黙ってうつむいていた私に、すべてを知っている村井と凉子がにらみつけるような视线を送ってきます。

  「さあ、どうしたの? 早くしなさい」

  凉子は、口元は笑っていますが、キッとしたキツイ目の奥の光は有无を言わせない强制力がありました。

  私は、その目の奥に、(言うことを闻かなければ、男には戻してあげないわよ。)という无言の圧力を感じ取り、とうとう重い口を开いたのです。

第11章-4

  「み・・・充様・・聡様・・・お久しぶりです。今日は・・・生まれ変わった・・奈绪美をご覧になってくださいね・・・。奈绪美ね・・・ずっと・・女・・・女の子になるためのご指导を受けていたら・・・ホントに・・・女の子に・・・なりたくなっちゃったの・・・だから、お兄様とお姉様に无理に・・・お愿いして・・・・手术を・・・して・・・もらったの・・・。胸と・・・あそこの・・・。それに・・・これからも・・・もっともっとホントの女の子に近づけるように・・・体の中に・・・女性ホルモンまで・・・入れてもらったの。だから・・・もう・・・胸のパットもお尻のパットも入っていません。全部・・・全部・・・本物です・・・。」

  「おい、ホントかよ?そのデカパイも本物なのかよ?」

  本城が信じられないというような口ぶりで大きな声を上げました。

  私は、あまりの耻ずかしさに顔が红潮し、黙って颔くだけでした。

  「ほら、みんな、信じられないって言ってるのよ。见せてあげなくちゃダメじゃないッ」

  私は凉子の强い口调にドキッとして、広くあいたワンピースの胸元に手を当てると、さらに大きく広げて见せたのです。Dカップの豊満な双乳が、まるでボロンっと音を立てるようにこぼれ出ました。

  (は、耻ずかしい・・・こ・・こんなこと・・・。)

  「うおぉ、本物・・・本物だぜ・・・、なあ、ちょっとさわらせてみろよ。」

  本城は、ソファから立ち上がると、私に近づき、いきなり荒々しい手であらわになった胸を揉みしだくように触ったのです。

  「おお、柔らけぇ・・・。形もきれいだしよぉ・・・それに、ほれ、乳首だって・・・」

  本城の指先が、ツンとした乳首に触れました。

  「アン・・・イ・・イヤ・・・」

  私の全身に电流が走り、口元から思わず、小さな声が漏れてしまいました。

  「おい、なんだ、感じるのかよ?さすがに本物は违うんだなぁ・・・。」

  本城の指の动きが早くなり、それにつれて、かすかだった电流が大きくなって、全身を駆け抜けていきます。

  「アアン・・・だ・・・だめ・・・や・・・やめて・・お愿い・・・。」

  私は本城の手を避けようと体をよじらせましたが、いつの间にか、背后に来ていた田中の両腕によって、その动きが止められてしまいました。しかも、本城によって弄ばれていた胸の膨らみに、その田中の手も容赦なく伸びてきたのです。

  (だめ・・・絶対に感じては・・・だめ・・。我慢・・・我慢しなくちゃ・・・ああ、で・・・でも・・・アア・・。)

  二人の手の动きを必死になって理性で抑えようと努めましたが、まるで本能からわき上がるような性感の高まりを抑えることはできません。

  「アアン・・・か・・感じるぅ・・・だ・・・だめ・・・これ以上されると・・・ダメ・・・アアンン・・・」

  私の発する声が、切なげなあえぎ声に変わっていきました。もはや自分の意志ではどうにもならなくなってきていたのです。

  その时です。凉子がソファから立ち上がり、本城と田中に向かって言いました。

  「わかったでしょ? 二人とも・・・。今日は、それくらいにしてあげなさいよ。退院して间もないんだから・・・。それにまだご挨拶も终わってないし・・」

  本城と田中は私の胸から名残惜しそうに手を离すと、再び、ソファにどっかりと腰を下ろしました。

  「さあ、続けなさい。ご挨拶・・・。」

  私は、まだ残る性感の高まりと戦いながらも、ゆっくりと口を开きました。

  「お・・おわかりいただけましたか? 奈绪美のこのオッパイが・・・本物だってこと・・・。それに、お尻だって、こんなに大きくしてもらったの・・・。」

  私はそう言うと、くるっと后ろを振り向き、少し前屈みになって、お尻を突き出して见せたのです。

  「おお、ホントにいいケツしてるなぁ・・。たまんねぇなぁ・・」

  田中は、目を大きく见开きながら言いました。

  「ちなみに、上から、88のDカップ、60、86っていうのが今のサイズよ。理想的でしょ? ね?」

  凉子が、退院前に病院で计测した私のスリーサイズを告げました。

  私はなぜか、そのことにとても激しい羞耻心を覚えました。考えてみると、自分のスリーサイズを伝えるなどという経験は今までに一度もなかったからです。そのような绍介を受けること自体、もはや自分が他人にからは女性としてしか认识されていない証のような気がしたのです。

  「奈绪美、これからも、どんどん本物の女の子になるように努力しますから・・・皆さんも、今まで以上に・・・奈绪美のこと・・・可爱がってくださいね・・・。」

  私は、全身から火のでるような羞耻心におそわれながらも、一通りの挨拶を终えました。その视线の先には、満足そうに微笑む凉子と村井の顔が见えました。

第11章-5

  新生「奈绪美」としての自己绍介が终わると、それまでニヤついた顔で闻き役に彻していた村井がおもむろに口を开きました。

  「それにしても、こんないい女になるとはなぁ。俺、本気でこいつを俺の女にしちまおうおうかなぁ・・・。アハハハ・・・」

  「そ、そりゃないよ。兄贵・・・。俺だって、こいつ、彼女にしたいっすよ。なあ、聡?」

  「そうっすよ。俺も、こんなに可爱いなら、男だってかまわないっすよ。それに、こいつ、自分から女になりたがってるんでしょ?なら、俺、全然、オーケーっすよ。へへヘ・・・」

  三人の男达の冗谈とも本気ともとれる言叶に、凉子が割って入りました。

  「何を马鹿なこと言ってるのよ。この人、仮にも私の夫よ。男なのよ。勘违いしないでよ。ホントに・・・。」

  「いやぁ、だってよ。あのオッパイといい、ケツといい、ふるいつきたくなるほどいい女だぜ。しかも、あんな格好してると尚更な・・・。ホントに、どうせなら、お前じゃなくて、こいつにしておけばよかったぜ・・・アハハハハ・・・」

  村井の言叶に、それまで笑顔を浮かべていた凉子の表情が一瞬にして昙り、やがて敌意に満ちた视线を私に向け始めたのです。そこには明らかに女の嫉妬心が钝い光になって现れていました。

  「いや、冗谈だ・・・冗谈に决まってるだろう?本気にすんなよ・・・。」

  凉子の顔色が変わったことを察知して、村井はいいわけがましく言いました。

  しかし、凉子の私に向ける视线は冷たいままでした。その目の奥の钝い光には背筋が寒くなる思いがしました。

  「それにしても、自分から女の子に生まれ変わりたいなんて言い出すとは思わなかったなぁ・・。」

  ソファから静かに立ち上がると、凉子は私に近づきながら口を开きました。

  口元には冷たい笑みが、そして、目には再び燃え上がった复讐心に新たな嫉妬心が加わって、冷酷な钝い光が宿っています。

  「ねえ、あなた、私から女の子になりきるための指导を受けて、女の子愿望が芽生えたって言ったわよね・・・? ねぇ、それってホントなの? なんか信じられないなぁ・・ねぇ、どうなの?」

  私には、凉子の质问の意図がわかりません。そのように振る舞うように指示したのは他でもない凉子だったからです。

  いいえ、もし、本心を素直に口にすることが许されるなら、はっきりと、

  『手术はだまされて受けたものだ。自分から进んで受けたなんて、そんな话は全部でたらめなんだ。今すぐにでも男に戻りたい。そして、この场から逃れ、结花と暮らしたいんだ。』

  と大声で叫びたいくらいです。

  私は黙ったまま、凉子の次の言叶を待つしかありませんでした。

  「ホントはさぁ、ずっと前から、女の子愿望があったんじゃないの? こうなることを期待してたんじゃない? それで、私たちが、あなたを女の子にしようとしているのを知って、うれしかったんでしょ? 违う? そうじゃなかったら、自分から手术してなんて頼むわけないもの。 ああ、そうか、だから、あんな情けないこと・・・、他の男のチンポしゃぶったり、お尻を犯されても喜んでたわけかぁ・・・それで、もっと爱されたくて、本当の女の子になりたくなっちゃったんだぁ・・・そうなんでしょ?」

  「そ、そんな・・・・喜んでたなんて・・・うそ・・・无理やり・・・」

  私は思わず声を上げ、凉子を睨みつけました。

  その瞬间、凉子の目に今までに见たこともない鋭い光が走りました。

  私は凉子の质问の意図がどこにあるのか、その时はっきりとわかりました。

  凉子は、彼らの前で、质问に同意させることによって、私により一层の屈辱感を味あわせたかったのです。そうすることで、自分のやり场のない复讐心と新たに宿った嫉妬心のはけ口にしようというサディスティックな思いが沸いていたのでしょう。

  そうであるなら、私には受け答えをためらうことは许されません。もしも、彼女の気分を害したなら、男に戻れる道が完全に闭ざされるかもしれないからです。

  「は、ハイ・・ホントは・・そうなんです。ずっと前から・・・女の子に・・・なりたかったんです・・・だから・・・ここで、皆さんにその愿いをかなえてもらって・・・すごくうれしかったんです。それに・・・皆さんに・・か・・可爱がってもらっている内に、もっと、男の人に爱されたいって思って・・・お愿いしたんです・・・手术を・・・」

  私は俯いたまま、静かに答えました。凉子の目からは强圧的な光は消え、口元に冷酷な笑みだけが残っていました。それは私の答えが、満足のいくものだった証でしょう。「ふーん、じゃ、愿いが叶ったってわけね。よかったじゃない、ホントに。で、どんな気分、お望み通りのナイスバディになって、男の注目を浴びるのって? え? どんな気分なのよ?」

  「ご・・・ごめんなさい・・・。」

  私は思わず、谢罪の言叶を口にしてしまったのです。私は凉子を差しおいて、村井达の関心をひきつけた事になぜか、罪の意识を感じいたのです。

  しかし、その言叶は、凉子の女としてのプライドを激しく伤つけてしまったようで、いっそう屈辱的な言叶のやり取りへと导く结果になってしまいました。

  「ええ? 何で谢るのよ・・・。ああ、そうか、私をずっと骗してたから? もちろん、オカマだって知ってたら、结婚はしなかったけど、でも、まあ、そんなことは今更、どうでもいいわ。それよりさ、结花って女、あなたがそんなオカマだってこと知らないわけでしょ? どうすんのよ。结花って、もしかしてレズ?」

  「ち、违います・・・普通の・・・」

  私は激しく头を振り、打ち消しました。

  「ふーん、じゃ、どうするわけ?男として爱してあげられるの?オカマのあなたに?

  ああ、それとも、结花って、オナベだったり? アハハ・・・あなたが奥さんになって、结花が旦那さんになるとか? それって、おかしい・・・ハハハ」

  私はどう答えていいかわかりませんでしたが、自分の爱する结花を嘲笑するような言叶にいたたまれなくなり、思わず声を上げてしまったのです。それはリビング全体に响き渡るような声でした。 

  「ゆ、结花は、普通の女性だっ・・・。ぼ・・・僕は结花を男として爱し、普通の结婚を・・・するんだっ・・・もう、これ以上、结花をバカにすると、ゆ・・・许さないぞっ・・・。」

  リビング全体に张りつめたような紧张感が走り、数秒间の沈黙が流れました。 

  おそらくその场にいた谁もが、私の口からそのような言叶が発せられることは予期していなかったのでしょう。彼らの呆然とした顔つきがそれを物语っていました。

  けれども、その真実からの诉えによって、凉子の気持ちが萎えることはありませんでした。いえ、むしろ、より一层の复讐心と嫉妬心にかき立てる结果になってしまったのです。

第11章-6

  「そんな口闻いて、どうなるかわかってるわねっ? 后悔しても知らないわよっ。いいのね・・・本当にっ・・・。」

  凉子が村井に同意を求めるように目配せをしました。

  「ああ、凉子の言う通りだ。俺たちはお前がどうなろうと知ったこっちゃねぇ。お前が后悔するだけだからな・・・。」

  村井がソファに座ったまま、冷たい视线を私に向け、ドスの利いた低い声でいいました。その目の奥に宿る、他人を圧倒する力强い光は、私から男に戻るチャンスを永久に夺い去ることのできる、そういう力を持っている存在であることを、思い知らせて余りあるものでした。

  「ご・・・ごめんなさい。な、奈绪美が・・・・奈绪美が悪かったです・・・口答えして・・・ごめんなさい・・・」

  私は、卑屈にも、头を下げ、谢罪の言叶を口にしました。

  (何で、僕が・・・何で・・・谢らなくちゃいけないんだっ・・・)

  内心、大声で叫びだしたい思いを必死に抑え、その感情を隠すために、じっと下を向いていました。手足の先が小さく震えているのを感じながら。

  「まあ、今回だけは、大目に见てあげるけど、二度とそんな口闻いたら、许さないからね。覚えておきなさいよ。」

  「は・・はい。ご・・ごめんなさい。二度と・・・二度と・・・逆らいませんから・・・。」

  「フフフ・・・、じゃ、さっきの质问に答えなさいよ。みんなも闻きたがってるわ。そんなデカいオッパイにしてもらって、しかもタマタマまで取っちゃって、今更、男として女を爱するなんて信じられないのよ。だから、きっと、あなたが奥さんになって、结花が旦那さんになって、オカマちゃんとオナベちゃんの逆転夫妇になるのが望みなんじゃないの? ね、そうなんでしょ? はっきり言いなさいよッ」

  凉子の质问は、明らかにそう答えなければ、许さないという絶対的な强制力がありました。

  「ご・・・ごめんなさい。黙ってて・・・。ホントは、凉子お姉様のおっしゃる通りです・・・。奈绪美が女になって、夫になった结花に爱されたいの。それが、奈绪美の梦なんです。だから・・・だから・・・手术して・・・もらったんです・・・。」

  「ふーん、でもさ、あなた、さっき、男の人に爱されたいって言ってたじゃない? 结花は女じゃない? それでもいいの? ああ、そうか、わかったわ。结花にも手术させて男に性転换してもらいたいんでしょ? ねぇ、そうなんでしょ?」

  まるで诱导寻问です。でも、逆らうことなどできません。私は、その诱导寻问のレールに乗っていくしかないのです。

  「は・・・はい。结花にも・・・手术してもらって・・・奈绪美の・・・旦那さんになってもらいたいんです・・・。奈绪美・・・奥さんになって・・・爱されたいんです・・・」

  「アハハハ・・・やっぱりねぇ・・・。そうだと思ったわ。そうじゃなきゃ、自分から手术なんて望むわけはないものねぇ・・・。それにしても、结花もかわいそうね。そんなふうに思われてるなんて・・・きっと、ショック受けるでしょうね? でも、『爱する直树さんのためなら、いいわ、私、男になる。』なんて言い出すかもしれないわよ。ハハハ・・・」

  私は一刻も早く、この阴湿な屈辱的な言叶のやりとりの时间が过ぎ去ることだけを愿って、うつむきながら耐えるしかありませんでした。

  「それにしても、ホントに情けない人ね?あなたって・・・。それでも、男なの?私の夫なの?いくらタマタマまで取っちゃったからって、心は男のままでしょ?オチンチンだってついてるんでしょ・・・?一体、どんなオチンチンしてるのよ。みんなに见せてあげなさいよ。」

  凉子はいきなり超ミニのワンピースの裾をたくし上げると、パンティに手をかけ、ストッキングごと、一気に太股まで引き下げたのです。

  「い、いやっ・・・だめぇ・・・・・・。お愿い・・・ヤメテぇ・・・」

  抵抗することのできない私は、ただ哀愿するしかありませんでした。

  「あら? ないじゃない、オチンチン。イヤだぁ、まさかオチンチンまで取っちゃったのぉ?」

  凉子のわざとらしいその言叶に、村井だけでなく本城も田中もソファから立ち上がり、私のそばに近づき身を乗り出すようにして、露出した下半身に视线を集中させました。

  「あ・・・あったわ・・・あった・・・プッ・・・それにしてもなぁに、これ?

  ホントにオチンチンなの? 小さすぎでおできかと思っちゃったわ。アハハ・・・。」

  凉子は、私の男性自身が睾丸の摘出と女性ホルモンの影响によって、小指の第二関节ほどの长さになってしまっていることは何度も见て知っています。でも、初めて目にしたかのような惊きを示すことで、私の羞耻心をより一层高めようとしているだけなのです。

  私はあまりの屈辱に耐えきれずに、露出した下半身を両手で隠そうとしましたが、その动きは、凉子と村井にあっさりと抑えられ、はなない抵抗に终わったのでした。

  「あははは・・・ホントだ。これ、チンポかよ。おできだぜ。まるで・・・。」

  「それに、タマもホントになくなってるんだな。ペターっとしてるぜ。」

  私の下半身の変化を初めて知った、田中と本城は惊きの声を上げました。。

第11章-7

  「それにしても、ちっちゃいわねぇ。もともと大して大きくなかったけど、これじゃ、赤ちゃんのオチンチンよりちっちゃいじゃない。これじゃ、女とHすることもできないわよ。アハハハ・・・。あれ? ちょっと待って。あなた、タマタマ取って、ホルモン入れてもらったら、こんなオデキみたいなオチンチンになるってこと、お医者さんから言われてたんでしょ? それでも、お愿いしたってことは、こううなることを望んでたってことよね? そうなんでしょ?」

  もちろん、手术前に医师から受けた説明など全くありません。そもそも、手术自体、だまされて秘密裏に行われたことなんですから・・・。

  しかし本城や田中の前では、手术は自らの希望によって行われたものだいう姿を演じなければならないのです。それがこの部屋に入る前に受けた凉子からの指示でした。

  「ねえ、どうなのよ? 早く答えなさいよっ!」

  凉子の鋭い口调に、ドキっとして、私は重い口を开きました。

  「は・・・はい・・・、知ってました・・・・で、でも・・・それでも・・・手术して・・・ほしかったんです。」

  「ふーん、あきれた人ね、ホントに。普通、男の人って大きいことを自慢するもんでしょ? それなのに、ちっちゃくしたかったってこと? ハハハ・・・。それで、オチンチンちっちゃくした代わりに、胸とかお尻とかバカみたいにデカくしてって頼んだわけね。 ねえ、いっそのこと、そんな役に立たないオチンチン、ちょん切っちゃえば? で、本物の女の子にしてもらえばいいんじゃない? どうなの? そうしたいんでしょ?」

  たとえ演技とはいえ、さすがにこの质问には、すぐに同意することはできません。もし同意を示せば、二度と男に戻ることができなくなってしまうような気がしたからです。 私は、もはや「オデキ」と呼んだほうがふさわしいほどに矮小化したペニスを、好奇の目に晒すという屈辱的な姿のまま、凉子に哀愿するような视线を送りました。 

  しかし、そんな私の真意など复讐心と嫉妬心に駆られた凉子には思い知ろうという意すらすれ感じられません。むしろ早く返事をしろと言わんばかりの、冷酷な视线を送ってくるだけです。

  「どうなの?何とか言いなさいよ。ホントの女の子になりたいんでしょ? オチンチン、ちょん切って、ホントの女の子にしてって言っちゃいなさいよっ。」

  私は、この屈辱的なやり取りから开放されたい一心で、凉子の望むであろう言叶を口にしたのでした。

  「は・・・はい、ホントはオチンチン切ってもらって・・・ほ、本物の女の子に・・・してもらいたい・・・・です。」

  「アハハハ・・・、やっぱりねぇ・・・。そういうことなのよね。それにしてもかわいそうなオチンチン・・・いらないなんて言われちゃって・・・でもHもできなんじゃ、役にたたないもんね。アハハハ・・・でも、男にしか兴味がなくなったからって、そんなバカでかいオッパイ见せつけて、男、诱ってんじゃないわよ。特に、村井ちゃんにはね・・・。わかってるわね。まあ、村井ちゃんだって、本気にはならないでしょうけどね。ハハハ・・・。」

  凉子は最后に捨てぜりふを残し、嫉妬心を込めた一瞥をくれて、リビングを出ていきました。

  こうして屈辱のやりとりはやっと终わりを迎え、彼らの好奇に満ちた视线からも解放されたのです。

  部屋に戻った私は、精神的にも肉体的にも疲れ切って、着替えもしないままベッドに倒れ込んむと深い眠りに落ちていきました。

第12章-1

  果たして、どのくらいの间眠り込んでいたのでしょうか。

  私はドアを叩く小さなノックの音で目を覚ましました。

  饮み物を持って部屋に入ってきた凉子の表情は、先ほどまでの嫉妬に駆られた激しいものから穏やかなものに変わっていました。 

  「ねえ、奈绪美ちゃん、たまにはお外に出てみない?あなただって、そうしたいでしょ?」

  凉子はベッドサイドのテーブルに饮み物を置きながら言いました。

  「え? 外?」

  私は思わず、小さな声で闻き直しました。

  と言うのも、初めてこの屋敷に足を踏み入れてから约2ヶ月间、外出という外出は一度もしていません。唯一の外出は、あの悪梦のような手术のための外出だけだったのです。もちろん、庭に出ることくらいはありましたが、门の外に足を踏み出したことはありません。

  私は外出できるという开放感から、自然と口元に笑みが浮かんでいました。

  「ホ、ホントですか? 外に出ていいんですか・・・?ありがとう・・・ございます、お姉・・・様」

  私は凉子の机嫌を损ねて、外出が中止にならないように慎重に言叶を选びました。た。

  「あら、やっぱり、うれしいのね。奈绪美ちゃん・・・フフフ」

  しかし同时に头の中に止めようもない不安が芽生えてきました。

  そうです。私の身体は、この屋敷に初めて足を踏み入れた时とは、大きく変ってしまっているのです。Dカップの豊満なバストと豊かな曲线を描く下半身を持つ身体になってしまっているのです。しかも、絶えず体に流れる高浓度の女性ホルモンのために、肌も白くきめ细かくなっていましたし、髪の毛もかなり长くなっています。さらに、毎日のメイクのために眉も整えられ、たとえノーメイクでも、女性にしか见えない风貌に変化しています。これでは、男の服装をしても身体の変化を隠しきることはできないのではないかと思ったのです。

  だからと言って、2ヶ月ぶりの外出という开放感の高まりを抑えることは、やはりできません。

  (まあ、胸を「さらし」か何かできつく巻いて、ゆったり目のジーンズか何か履いていれば、何とかなるだろう。)

  と、自分を纳得させ、わき上がってくる不安な気持ちを打ち消したのです。

  ところが、そんな不安を抱くことは、まったくのムダでした。なぜなら、私が男の服装をすることなど、その时もその后も决してあり得ないことだったからです。

第12章-2

  「じゃ、いい? すぐに出かけるわよ。」

  凉子はバックを持って立ち上がると部屋のドアに向かって歩き出しました。

  「ま、待って・・・ください。ま、まだ、着替えもしてないし、それに、メイクも・・・メイクも落としてないし・・・」

  凉子は、そんな私の顔を、冷たい笑みを浮かべながら、见つめ返して言いました。

  「ん? 何言ってるの?もう、すっかり準备できてるじゃないの。奈绪美ちゃんは、そのままで出かけるのよ。决まってるじゃない。ねぇ、村井ちゃん」

  いつの间にか、ドアの外に村井が腕组みをしながら立っていました。

  「ああ、そうだ。そんな色っぽい身体になったんだ。世间の奴らに见せてやらなくちゃ・・・な。アハハハ・・・。」

  村井は大声で笑うと、

  「じゃ、车で待ってるからな。」と言ってその场を离れました。

  てっきり男の服装での外出を予期していた私は、もちろん必死になって抵抗しました。 しかし长期间の女性ホルモンの影响か、体力も筋肉も极端に衰えていて、田中と本城という二人の若く屈强な男にかかれば、全く无駄な抵抗でした。

  私は村井と凉子が先に乗り込んでいた车の后部座席に无理矢理押し込められたのです。 

  黒涂りのベンツが新宿の繁华街に到着したのは、昼下がりのことでした。

  凉子が助手席から后ろを振り向き、口元に意味ありげな笑みを浮かべながら言いました。

  「さあ、着いたわよ。今日はね、奈绪美ちゃんに、お买い物をしてきてほしいの。このメモに书いてあるから、忘れないでね。あ、そうそう、逃げようなんて気、起こしても无駄よ。充ちゃんと、聡ちゃんに一绪に行ってもらうからね。それから、制限时间は2时间よ。それを、ちょっとでも过ぎたら、わかってるわよねぇ フフフ・・・。」

  その时にはすでに抵抗する気力さえ失せていた私は、凉子の差し出すメモを手に取り、そこに书かれた店の场所と名前、そして买い物のリストに目を通しました。

  その瞬间、彼らの意図がわかり、顔から血の気が引いていくのを感じました。でも、どうすることもできないことは、自分が一番よくわかっています。私は最低限の要求を试みました。

  「せめて、こんな格好じゃなくて、コ、コートくらい、羽织らせてくれませんか?」「ばか、それじゃ、何にもなんねぇんだよ・・・。」

  私の隣に座っていた本城が强い口调で言うと、それに答えるように村井も凉子も笑いあうだけでした。

  车窓から见える光景から、そこがアル○前であること知らせてくました。

  私は本城と田中に押されるように车から降ろされ、ふらつきながらその场に立ちました。

  と、その瞬间です。付近にいた人々の视线が一斉に私に注がれたのです。土曜日の昼下がりということもあって、アル○前には待ち合わせなどで多くの人々が集まっています。

  私は、その集中する视线に、改めて今の自分の姿がどんなに目立つものなのかを意识せざるを得ませんでした。

  体に张り付くようなショッキングピンクのソフトボディコンのワンピースに白いミュール、そして、光沢のある黒いストッキングが初秋の日差しを浴びて反射しています。そして派手目のメイクを施してはいますが、耻ずかしげにずっとうつむいていて、それだけを见れば外见とはのアンバランスで、豊満な胸と腰つきは服の上からもはっきりと见てとることができるはずです。

  また、ワンピースの丈は极端に短く、今にもパンティが顔をのぞかせそうで、ウエスト部分の大半はシースルーになっていて、女性ホルモンの影响で白く透き通った肌をこれでもかと言うほど露出しています。

  さらに目を凝らすと、Dカップの豊かな双乳が作り出す谷间と、ツンと突き出た乳首のふくらみがノーブラであることを夸示しているのです。

  これでは、まるで人の视线に晒されることを望んでいる露出狂の女の子だと思われても仕方ありません。

  (ああ、耻ずかしい・・・逃げ出したい・・・)

  私は心の中でつぶやきましたが、いつまでもその场にとどまっていることは许されません。なぜなら、2时间以内に买い物を済ませて戻ることが、絶対命令だったからです。気づくと、本城と田中はすでにかなり前を歩いています。时々こちらを振り向きながら。

  「ま、待って・・・」

  私はそうつぶやくと震える足で歩を进めました。 

  多くの目に晒されながら一人で歩いている方が、より一层の耻辱を味あうことに繋がるということがわかったからです。

  もしも、男连れだったら、ましてその男が本城や田中のようなやくざ风の男なら、自分のこの姿は、彼らの趣味だということがわかるでしょう。つまり私は、无理矢理そんな耻ずかしい姿をさせられている哀れな存在に见えるはずだと思ったのです。逆に周りに连れがいなくて、一人でこんな格好をしていれば、男が欲しくてたまらない淫乱女にしか见えないでしょう。

  私は二人に追いつこうと足を速めました。でもミュールの高いヒールが、その行动を妨害したのです。

  私は数歩足を出しただけで踬いてしまったのです。ただでさえ丈の极端に短いワンピースの裾からは、ピンクのパンティがはっきりと顔をのぞかせたの违いありません。

  その瞬间、先ほどまで好奇の视线を向けていた、男达から声があがりました。

  「おおお、丸见えじゃん、パンツ・・・なぁ?」

  「ああ、パンツもピンクだぜぇ、色っぽいなぁ・・。」

  「しかし、それにしてもいい女だな。すげー、可爱いじゃん。」

  「なあ、体だっておいしそうだぜ。モデルかなんかかな?」

  「违うだろう?あんな格好してるんだぜ。露出狂の変态女にきまってるじゃねぇか。」

  「そうだろうなぁ、でも、あんな可爱い子なら、俺、一発お愿いしたいなぁ・・・。」

  周囲から闻こえてくるのは、男たちの欲望丸出しの远虑ない会话だけではありません。それだけでも、私の羞耻心を高めるには十分でしたが、それ以上に、女たちの蔑みと嫉妬の声の方が强烈でした。

  「なによ、あれ・・・あんな、格好して・・・、もう、男が欲しくて欲しくてたまらないって感じじゃない。」

  「ねぇ、ホントにあんな女がいるから、男たちに舐められるんじゃない。」

  「そうよねぇ、あのでっかいオッパイだって、作りものに决まってるじゃない。ねぇ?」 

  私はすぐにその场を逃げ出したいと思い、何とか立ち上がろうとしましたが、高いヒールと极度の紧张感がそれを阻みます。その时、一人の中年男が駆け寄ってきて、手を差し伸べてくれました。

  私はその男の手に支えられながら、ようやく体を起こすと、軽く会釈をしただけで、本城たちの后を追おうと歩き出しました。

  「ちょっと待ってよ。ねえ、君、どこの风俗勤めてるの? おじさん、そこ行くから、相手してよ。ねえ、教えてよ ヘヘヘ・・・」

  中年男は、先ほどの优しい行动とはうってかわって、下品な笑みを口元に浮かべながら、声をかけてきたのです。

  新宿という场所柄もあるのでしょうが、その时の私の姿は、きっと风俗嬢にしか见えなかったのかもしれません。

  私は恐怖のために、体に震えがおこるのがわかりました。とにかく再び転ぶことのないように足下に注意を払いながらも、できる限りの早足でその场を离れたのです。

  离れ际に中年男の言った、

  「ちぇっ、なんだよ。ちょっと可爱い顔してると思いやがって、风俗嬢のくせに・・・男にサービスしてナンボだろうが・・・」

  という屈辱的な言叶を闻きながら・・・。

第12章-3

  私は以前歩くのはかなり速い方でした。でも高いヒールでの早足は、まったく早足になっていません。先を行く本城と田中に追いつくどころか、少しずつ离れさせるだけでした。

  土曜日昼下がりの新宿は、人通りが途絶えることはなく、道行く人々から向けられる视线は决して止むことはありませんでした。もちろん、その视线だけでも十分に耻辱的なこだったのですが、中には直接、声をかけてくる男もいたのです。

  そのほとんどが、顔と身体を褒め、つきあって欲しいという诱いでしたが、中には、

  「ねえ、そんな格好して、男が欲しいんだろう? だったら、相手してやるよ。いくら?」

  という露骨な表现で声をかけられたり、

  「ねえ、彼女、君なら、絶対に稼げるよ。そこのヘルスなんだけど、働いてみない。」

  というような风俗の勧诱まで、数え切れないほどの言叶を受けることになったのです。

  そのたびに私は逃げるように歩みを速め、

  (お愿い・・そんな目で・・・见ないで・・・僕は・・・男・・男なんだから・・・)

  と心の中で何度も何度も呟きました。

  つい、2ヶ月前までは、私自身が、可爱くてスタイルのいい女性に対して抱いていた感情を、今は、全く逆の立场で自分が受ける侧に立っていることをいやというほど実感させられてしまったのです。

  私が指示された店にやっとの思いで辿り着くと、そこにはすでに、本城と田中が待っていて、たばこをくゆらせていました。

  私は一度大きく深呼吸をすると、细く长い阶段を地下に向かって降りていきました。振り返って见上げると、お目付役の本城と田中は相変わらず、一阶の阶段付近で立っているのが见えました。

  そこは、新宿の裏道にあるいわゆるアダルトショップと呼ばれる店でした。

  私は思い切って、黒っぽいドアを押し开け、店の中に足を踏み入れました。その瞬间中から伝わってくる异様な雰囲気に、思わず足がすくんでしまいました。私自身、そのような店に立ち寄った経験がないわけではありませんが、その时とは感じる雰囲気が违うのです。その原因はもちろん、店の中の客たちが私に向ける异様な视线によるものでした。

  私は一刻も早くその场かれ逃れたいという思いで、客达の好奇の视线が向けられる中、カウンターの中にいる中年の店员の方に近づいていきました。そして、男の声だと感づかれることのないように、できる限りささやくように告げました。

  「あ、あの、このお店で、一番、大・・・大きな、バ・・・、バイブ・・・が欲しいんですけど・・・」

  「はあ、何?何だって?」

  店员は大きな声で闻き返しました。

  私は、少し声のトーンをあげて缲り返しました。

  「ああ、バイブね。一番大きなやつかぁ・・・どれかなぁ・・・」

  店员はニヤッと笑い、まるで周囲に闻かせるかのような大きな声で言うと、色とりどりのバイブが置かれたコーナーから、黒いグロテスクな商品を取り出し、カウンターに置きました。

  「そ、それから・・・このお店で、一番、イヤらしい・・・あの・・・あ・・・穴あき、パ・・・パンティ・・・も」

  「ああ、穴あきパンティね。一番イヤらしいやつかぁ・・・ヘヘヘ・・・」

  店员の声にその场にいた客すべての视线が、一斉に私に向けられ、そのままじっと动かなくなりました。彼らの视线は、そんなイヤらしいオーダーをしているのが「女性」客であり、しかも、あまりにも过激で挑発的な服装をしているということに気づいて、男の欲望をあからさまに表した色に変わっていったのです。

  店员はニヤニヤしながら、奥の方から小さな箱に入った商品を取り出すと、

  「はい、穴あきパンティ・・ね。ほら、これイヤらしいでしょう・・・? こんなんで迫られたら、彼氏もたまんないよ。ヘヘヘ・・」

  と言いながら、カウンターに置きました。

  客たちのなめ回すような视线が全身に注がれています。中にはわざわざ近づいてきて、大きく开いた胸元をジロジロ、凝视する客さえいます。

  (ああ・・耻ずかしい・・逃げ出してしまいたい・・・。でも・・・もう一つ・・・もう一つ、言わなくちゃ・・・。)

  私はその客の视线を避けるように、背中を向けながら、蚊の鸣くような小さな声で言いました。

  「あ、あの・・・逞しい男性の、ヌ・・・ヌード写真集も・・・」

  店员は、ニヤついた顔をいっそう崩しながら、カウンターを出ると、表纸にたくましい筋肉质の日本人男性のヌード写真が载った雑誌を手にして、戻ってきました。

  「これで、いいかなぁ・・・ねぇ、ところで、お客さん、これで何するの?一人でオナニーでもするの? もったいないねぇ・・あんたみたいに可爱くて、いい身体した女の子が一人でするなんてさぁ・・・。ねぇ、よかったら、俺とつきあわない? いくらならオーケーなの? ヘヘヘ・・・」

第12章-4

  私は、店员から商品の入った袋をひったくるようにして受け取ると、急いで店を后にし长い阶段を駆け上りました。ところが阶段の途中で、慌てていたために、手にしていた袋を落としてしまったのです。そして、その袋を取り上げようと、身をかがめた瞬间、阶段の下から人の视线を感じ、その方向に目をやりました。

  するとそこには店内にいた客の一人が、こちらに视线を送りながら、立っていたのです。表情を见ると、口元に下卑た笑みを浮かべ、垂れ下がった目には、イヤらしい钝い光が浮かんでいます。私は、ハッとしました。阶段の下からは、直立しているだけでも、パンティが见えてしまいそうな超ミニワンピースなのです。それが、上半身を屈めた姿势を取ってしまったら、どんな光景がその男の视界に入ったか、すぐに想像ができました。

  私はその视线から逃れるように、一気に阶段を駆け上がると、上で待っていた本城と田中のそばに駆け寄りました。后を着いてきた男は、私に连れがいるのに気づいて、チェッっと舌打ちをすると、何食わぬ顔でその场を立ち去って行きました。

  私は、ホッとすると同时に、今の自分は、男の身でありながら、同性である男から、性の対象としてしか见られていないんだという现実を知り、その情けなさに涙が止めどなく溢れてくるのでした。   

  车に戻ると、私は解放された安堵感に思わず、声をあげて泣き出してしまいました。

  「あらあら、かわいそうに。そんなに泣いちゃって。でも、奈绪美ちゃんが可爱いから、注目されたのよねぇ、うらやましいわぁ・・・・フフフ」

  凉子はまるで子供をあやすような口ぶりで优しげに言いました。

  私はそんな扱いを実の妻から受ける屈辱感と、男でありながら男から性の対象として见られているという情けない思いが、一気にわき上がり、思わず、大声で叫んでしまったのです。

  「ち、畜生・・・も、もう、こんな屈辱的なことはごめんだ。こんなこと二度としない。絶対にしないからなっ」

  言叶は男言叶でしたが、声はすっかり泣き声になっているのがわかりました。

  すると、凉子は、キッとした鋭い顔つきで私をにらみつけました。

  「何言ってるのよ。私があんたから受けた屈辱はこんなもんじゃないわよ。それにしても、あんた、また、男言叶使って。もう、どうなっても知らないわよ。ホントに、ちょっと、油断するとこうなるんだから・・・」

  「てめぇ、また、そんな言叶使いやがって、いい加减にしないと、ホントに送っちまうぜ、テープも写真も・・・・・。」

  村井の凄みのある言叶は、私にそれ以上の抗议を许しませんでした。いえ、反抗などできないことは、最初からわかっていることです。けれども、どうしても止められなかったのです。その日朝から耐え続けてきた屈辱的な出来事に、気持ちが一気に爆発してしまったのです。抗议すらできない无力感に、私はうつむいてすすりなくことしかできませんでした。

  村井は、そんな私の仕草に女らしさを感じたのか、満足げにハンドルを握ると、车を走らせましたが、凉子は、私が反抗したことをまだ根に持っているようで、时折、からかうように声をかけてくるのでした。

  「ねえ、どうだったの? みんなに大きなオッパイとかお尻とかジロジロ见られたんでしょ・・・?隠してもダメよ。充ちゃんと聡ちゃんに闻いたんだから・・・。そりゃ、すごかったって・・・ジロジロ见られるだけじゃなくて、いっぱい声かけられたんだってね? ね、どんな気分なのよ。男のくせに男からそんな目で见られたり、声かけられるのってさぁ・・・フフフ」

  「は・・・耻ずかしかった・・・だけ・・・それだけ・・です」

  「あら、そうかしら? だって、あなたの望んでたことじゃないの。男の人からもっと可爱がってもらいたいから、手术してオッパイ作って、タマタマまで取っちゃったんでしょ?フフフ・・。ホントは、うれしかったんでしょ?隠してもダメよ・・・フフフ・・。」

  私は涙の迹が残る顔を凉子の方に向け、にらみつけるような视线を送りました。

  しかし、凉子はそんなことは全く意に介しません。

  「ねえ、それにしても、おかしなものね。だってそうじゃない? ちょっと前までは、あなたが、そんな格好している可爱い女の子のこと、ジロジロ见てたわけでしょ? こんな子とエッチしたいなーとか思いながらさ・・・フフフ。 それが今は、反対にジロジロ见られてるわけよね? エッチしたいなーとか、あの口でしゃぶらせたいとか思われて、あなたのこと见てオチンチン勃っちゃった人だっているわよ、きっと。ハハハ・・・可笑しい・・・ もしかしたら、そのままトイレに駆け込んでオナニーとかしちゃってる人だっているかもよ。フフフ・・・。 ねえ、男のくせに他の男からそういう目で见られるのってどんな気分? やっぱり、情けなかったりするわけ? ハハハ」

  确かに凉子の言うとおりです。その日の出来事で、私は男の身でありながら他の男から性の対象として见られる存在になってしまったことが、どれほど屈辱的で情けないものか、はっきりと思い知らされたのです。

  「あ、でも、そんなことないか。あなたはもう、男じゃないものね。そんな男のプライドなんか、少しも残ってないでしょ? フフフ・・・」

  私は今にも叫び出したい気持ちを抑えこみ、小さく首を振るだけで、后はただ凉子の言叶をうつむいて闻いていることしかできませんでした。

  「ところでさ、あなた、男たちからジロジロ见られている时に、オチンチン、変な感じになっちゃったりしなかった? ううん・・・だからさぁ、オチンチンが勃っちゃったりしなかったかって闻いてるの。ねえ、どうなの?」

  私は凉子の质问にハッとしました。

  と言うのも、街中で见ず知らずの男たちから、次々に注がれる热い视线を受けるという屈辱的な状况の中で、私の小さなペニスは反応を示していたのです。それは、男性自身の勃起と言うには、あまりにもか弱く情けないものでしたが、确かに、変化は示していたのです。もちろん、身体にフィットするボディコンのワンピースを身につけているにしても、私のあまりに小さくなったペニスでは、外见からその変化を见て取ることはできないでしょうが。

  「ねえ、どうなの? これは、まじめな话なんだから、はっきりと答えてよ。医者が言うには、手术をしても勃起するような人は、それ以上どうしても女性化は进められないんですって。その场合は、すぐに再手术して、元の男の身体に戻すべきだって。だから、正直に言いなさい。あなたのためなんだから。」

  凉子の表情にはそれまでの冷たい笑みが消え、真剣なものに変わっていました。

  「は、はい・・・実は・・アソコが・・・・固くなって・・・大・・・大きくなって・・・。」

  私は、彼らの前で性器の変化を口にするという、逃げ出したいほどの羞耻心を抑えながら质问に正直に答えたのです。再手术を受け、元の男の身体に一刻も早く戻りたいという一心でした。

  「ああ、そう・・・やっぱりね・・・。男たちの视线を浴びて、オチンチン、勃起しちゃったんだぁ・・・ふーん・・・」

  「は、はい・・・だから・・・だから早く、再手术して・・・。」

  私は恳愿するようなまなざしを凉子に向けました。

  すると凉子の表情に、再び冷たくサディスティックな笑みが戻ってきたのがわかりました。

  「アハハハ・・・引っかかったぁ・・・。そんな话、全部ウソよ。だって、男たちにジロジロ见られて、兴奋して、勃っちゃったんでしょ? 男の视线に感じちゃったってことじゃない、それって・・・? 心の中まで女の子になったってことじゃない。フフフ・・・。でも、よかったじゃない。お望み通り、女の子になれて・・・アハハハ・・・。」

  「そ・・・そんなこと・・・嘘・・・嘘ですっ・・・。」

  私は必死になって、凉子の言叶を打ち消そうと、头を何度も何度もふりました。けれども男たちの视线に反応して、ペニスに変化が现れたことは事実です。それが、本当に心まで女性化していることを意味するとするなら・・・。私は、背筋に冷たいものを感じました。

  「女だって、感じると固くなっちゃうものなのよ。クリちゃんが・・・ね。ああ、そうだ・・・。これからは、あなたのオチンチンのこと、クリちゃんって呼んであげるね。ちっちゃくって女を喜ばすこともできなくなったオチンチンだもんね。その方がぴったりでしょ? これからは、男のイヤラシイ视线に感じて固くなっちゃうクリちゃん・・・。まぁ、よかったわね、感じやすいクリちゃんで・・・アハハハハ・・・。」

  凉子の甲高い笑い声が车の中に响き渡りました。

  けれども、そんな耳障りな騒音より、心までもが女性化しているという现実に直面させられたことの方が遥かにショックが大きかったのです。

  (どうすればいいんだろう・・・? このままだと、もう、男に戻ることはできなくなってしまうんじゃ・・・・。)

  私の心には言叶にできないほどの不安が涡巻いていくのでした。

第13章-1

  悪梦の外出から戻る玄関に入ると、私はその场から逃れるように、急ぎ足で部屋に戻りました。そして、极度の紧张と不安による疲れから、そのままベッドに倒れ込むと、そっと目を闭じました。眠ることで、ほんの一时にせよ、过酷な现実から逃避できると思ったからです。

  けれども次から次へと心にわき上がってくる不安を抑えることはできません。

  その不安の原因は、もちろん凉子に指摘された「心の女性化」のことでした。

  (今日、自分の身に起こったことは梦なんだ、いや、たとえ现実だとしても、凉子に専门的な医学知识などあるはずがないし、心まで女性化しているなんてあり得ない。)

  私は、自分の心に何度も言い闻かせました。でも、それなら、あの男たちの视线を受けながら、自らのペニスが反応を示した现実をどう説明したらいいのでしょう。

  结论の出ない堂々巡りを缲り返しながらも、肉体的な疲れのせいで、いつしか合歓凛落ちていました。

  **********************

  それから一体どのくらいの时间が経ったでしょうか。

  私は凉子の声で眠りという一时の安らぎから、厳しい现実の世界へと引きずり戻されたのです。ぼうっとする视界の中で时计に目をやると、八时を少し回っているのがわかりました。与えられた安らぎの时は、二时间ほどでした。

  「あらあら、メイクも落とさないで眠っちゃダメじゃない・・・。お肌が荒れちゃうわよ・・・。さあ、起きて・・・、リビングでみんな待ってるから・・・。」

  「きょ・・今日はもう、このまま・・・休ませていただけませんか・・・?お姉様・・・。」

  それは本心でした。私は、凉子の机嫌を损ねないように言叶を选びながら、恳愿するように言いました。

  「あら、そんなに疲れちゃったの?でも、大事な话があるのよ。奈绪美ちゃんにとってもいい话よ、きっと・・・だから、さあ、早く起きて・・・。」

  心に一旦は落ち着いていた不安がまた沸いてきます。これまでも、凉子が优しい口调で语りかけるときには、たいていその裏に残酷な企みがあったからです。けれども、たとえそうだとしても、拒否することは许されません。心の女性化が进んでいるならなおさらです。一刻も早い再手术によって、进行を止めなければならないことは、他の谁よりもわかっていることです。

  私は小さく颔くと、放心状态のままベッドから力无く立ち上がり、ドアに向かってフラフラと歩き始めました。

  (今日は・・・いえ、今日だけは、ひどい仕打ちを受けることがありませんように・・・)

  でも、そんなささやかな希望を见透かしたかのように、凉子は残酷な言叶を投げかけてくるのです。

  「あらあら、ダメじゃないの、そのままじゃ・・・。お化粧、ちゃんと直してからじゃないと・・・フフフ・・・。いい? 奈绪美ちゃんのお化粧は、自分のためにしてるんじゃないのよ。男の人を喜ばせるためのものだってこと忘れちゃ、ダメよ。 アイメイクは、男の人を色っぽく诱う目元を作るためだし、それにルージュだって・・・フフフ・・・男の人が、自分のオチンチン、しゃぶらせたいって思わせるためにしてるみたいなものだってこと・・・。さあ、わかったら、早くお化粧直しなさい。」

  私はこみ上げてくる屈辱感に耐えながら、ドレッサーに向かうと、凉子に指示されるままメイクを直しました。

  (そうなんだ・・・この目も頬も唇も・・・この屋敷では、何一つ自分のものはないんだ。彼らを喜ばせるためのもの・・・彼らの性欲を刺激し、それを受け止める道具に过ぎないんだ・・・。)

  私の心に一种の谛観にも似た思いが、心の中に芽生えていくのでした。

第13章-2

  私は村井たちの待つリビングに向かいながら、これから缲り広げられるであろう、屈辱的な行为、つまり、村井たちの性欲のはけ口としての道具、いえ単なる性具として扱われる自分の姿が头に浮かび、暗く沈んだ気持ちになるのでした。

  リビングには意外にも村井一人だけがソファに腰挂けていて、本城と田中の姿はどこにも见あたりませんでした。

  私は少しホッとし、自分の想像が杞忧であることを期待しました。

  「さてと・・・」

  リビングに入ってきた私と凉子を见て、村井が小さな声で言いました。

  私はその声に身を固くし、じっとうつむきながら次の言叶を待ちました。

  その言叶はあまりにも意外で、一瞬、自分の耳を疑ってしまう程でした。

  「お前もこの2ヶ月间、よくがんばってきた。それでな凉子とも相谈したんだが・・・、そろそろ解放してやろうかってな。な?凉子。」

  「そうなのよ。まあ、ちょっと、纳得いかないけど、私だって鬼じゃないからね。夫のこれ以上かわいそうな姿を见るのも忍びなくなってきたし・・・」

  私は目を丸くしながら、二人の顔を交互に见つめました。

  「なんだ? うれしくないのか?」

  村井は私の惊きの表情をじっと见つめながら言いました。

  それは闻き间违いではなかったのです。

  确かに村井の口からは「解放」という言叶が出たのです。しかも、凉子もそれに同意しているというのです。そんなことうれしいに决まっています。でも、その时の私は彼らの言叶を素直に受け止めることなどできなくなっていたのです。なぜなら、彼らの言叶巧みな罠によって、これまで几度となく骗されてきたからです。

  「そ、それは・・・・、う、うれしいですけど・・・でも、何か・・・」

  下心があるんではないか。と言おうとしましたが、もし、本当なら彼らの机嫌を害することになってしまうと思い、喉の奥に押し込みました。

  「なんだ、うれしくないようだな・・・。じゃ、いいぜ。约束通り、あと一月だ。」

  「い、いえ、そういうわけじゃ・・・ないんです。 ホ、ホントに、ホントに・・・解放してくれるんですね?」

  村井は黙って颔くと、凉子の方に目配せをしました。

  「本当よ。でもね、よく闻いて。それには、条件があるわ。」

  「じょ、条件・・・?」

  私は、やはり、と思いました。彼らが无条件に解放することなど考えらません。

第13章-3

  「これから、10日间、あなたにテストを受けてもらいたいのよ。それに合格すれば、手术を受けさせて、すぐに解放してあげる。どう?受けてみる?」

  私の心には言いしれぬ不安が沸き上がってきましたが、反対に、一日でも早く手术を受け解放され、结花との再会を果たしたいという愿いが抑えきれなくなり、彼らの真意を探る心の余裕がなくなっていました。   

  「わかりました。テ、テストを・・・テストを受けます・・・受けさせてください。」

  凉子はフッと纳得したような笑みを浮かべると、さらに言叶を続けました。

  「そう?受けるのね。そりゃ、そうよね、一日でも早く解放されたいものね。でも、いい? テストは厳しいわよ。」

  「は・・・はい。でも、テストって、どんな・・・・?」

  「フフフ・・・それはね今は内绪・・・。でも、それじゃ不安でしょうから、ちょっとだけヒントね。 あのね、あなたに受けてもらうのは、言ってみれば、『女性化确认テスト』かな? 2ヶ月前にあなたがここに来てから、私は复讐するために、あなたを女の子にして、屈辱的な経験をさせてやろうって思ったの。それは、わかるわよね? だからいろいろな特训をしたり、女性ホルモンを使ったり、骗して手术まで受けさせたってわけ。あなたの身体が日に日に女性化するのを见たり、他の男から犯されるのを见たりすると、ホントに痛快だったわ。私の心の中にそんなサディストの血が流れていたのかって改めて気づかせてもらった。でも、今日、その女性化があなたの身体だけじゃなくて、心の中にまで进んでいるのがわかったわけでしょ? そうしたら、急に复讐心が薄れてきて、もうこのくらいにしておこうかなって思ったの。村井ちゃんに言ったら、お前がいいならそうすればいいって言ってくれたわ。でもね、いざ、そうしようと思ったら、なんか急に惜しい気がしてきたの。きっと、まだ、あなたへの复讐心が完全に消えたわけじゃなかったのね。で、あなたの心の中に女の意识が残っている内に、女としての耻ずかしさを、少しだけ味わってもらおうと思ったの。もちろん、これが最后・・・これで私の気持ちも踏ん切れるわ。」

  凉子は、ほとんど言いよどむことなく、思いを正直に告白するように言ったのです。そして、それを语る表情には、まさに一点の、嘘伪りも感じさせないものでした。

  私は、凉子の「女としての耻ずかしさを味あわせる」という言叶の中身に不安を抱きながらも、真剣な表情で「复讐心が薄れてきた」と语る、その言叶を信じ、凉子の申し出に同意したのです。もちろん、その奥には一刻も早い再手术と解放のチャンスを逃したくないという思いがあったのは当然のことですが。

  しかし、それは巧妙に仕组まれた企みへと、私を导いていくための演技に过ぎなかったのです。凉子の胸の内に燃えさかる复讐心は、决して薄らいでいたわけではなく、むしろそのサディスティックな嗜好とも结びついて、いっそう大きなものになっていたのです。

  その后の10日间で私が受けることになる屈辱的な体験は、决して凉子が言ったような「少しだけ」などという生やさしいものではなく、今、思い出しても口に出すことが惮られるほどのものでした。また、この时、本城と田中がその场にいなかったことにも、大きな理由がありました。彼らは村井から受けた、もっと大きな指示を実行するために、なんと私の恋人である结花のもとを访れていたのです。

  いずれにせよ、そんな彼らの邪悪な企みを微尘にも感じ取ることのできない私は、村井の差し出す、『十日间のテストに合格すれば、すぐに手术を受けさせ、解放する』という内容の手书きの念书にサインをしてしまったのです。

第13章-4

  念书にサインしてから3日后の朝、私はその日指示されたオフホワイトのキャミソールとデニム地のタイトミニという比较的カジュアルなスタイルでリビングに向かいました。メイクは服装に合わせ、薄目のナチュラルメイクです。

  私がリビングに入ると、彼らは待ちかねたように迎え、奥のソファに腰挂けるように促しました。

  かなり低いソファだったので、座る瞬间タイトミニの裾がたくしあがり、思わず前を両手で隠しましたが、本城と田中の若い情欲をぎらつかせた视线が私の太股あたりに注がれているのがわかりました。その女性的な行动は、自分でも信じられないくらい自然に出たものでした。

  実は3日前、テストを受ける事に同意してすぐ、凉子から1枚のCDを渡されました。凉子の説明によれば、そのCDは心を落ち着かせるための、いわゆるリラクゼーション効果のあるもので、部屋にいる时はずっと流しておくようにとのことでした。私は心の中の不安を少しでも抑えることができるのならと、その指示に従いました。

  CDから流れる音は、音楽とも、何かの合成音とも判断の付かない不思议なもので、时折、音の合间に意味のわからない、人间の嗫きにも似たかすかな声が入っていました。

  聴き始めはなにやら违和感を感じ、とてもリラクゼーション効果があるとは思えませんでしたが、継続的に聴き続けていると、心の中に落ち着きというか、安堵感のようなものを感じるようになっていきました。そして再生が五回目くらいになるとドキドキするような不安と紧张がすっかり消えていて、优しく穏やかな気持ちだけが広がっていきました。それは、まさに甘美とも言えるほどの快感でした。もちろん、そんな気持ちは、この2ヶ月间で一度も味わったことがありません。私はその快感に浸るように、CDをエンドレスに流し続け、そのまま深い眠りに落ちたのです。

  翌朝、かすかな小鸟のさえずりと小さな窓から差し込む朝の光で、目を覚ました私は、

  久しぶりに熟睡したことを実感しました。精神的にも肉体的にも疲れが全く残っていないのです。ベッドサイドのCDプレーヤーからは、相変らず心地いい音が流れ続けています。

  私はその音に包まれながら、ベッドから起きあがると、シャワーールームに入り、着ていたパジャマと下着を脱ぎました。目の前の镜に私の顔と上半身が映っています。 

  その时、自分の表情がいつもと违っていることに気づきました。暗く沈んだ表情は消え、无意识のうちに明るい、微笑みさえ浮かべているのです。それまで镜に映し出される自分の女性化した姿を见ることは、决して惯れることなどできない辛い瞬间でしかありませんでした。ですから镜越しに微笑むことなど、まして无意识のうちに微笑むことなどありませんでした。

  私は意识して、不机嫌な表情を作ってみました。けれども、无意识のうちに心の奥からわき上がってくる快活な感情が、自然と微笑みをもたらしてくるのです。しかも、あれだけイヤだった着替えやメイクも、いつしか鼻歌交じりに进めている自分がいたのです。

  そして、準备を终え姿见に向かい、最后のチャックをする时になると、微笑みが大きな笑顔に変わっていて、

  「うん、今日はきれいにできた・・・可爱いわよ・・奈绪美・・・フフフ・・・。」

  などと、无意识の内に、镜の中の自分に语りかけているのに気づき、ハッとしました。

  私の心にそんな変化をもたらした最大の要因は、もちろん常时体内を流れている女性ホルモンの活発な动きによるものでしたが、実は凉子から与えられたCDが、それを助长する役目を果たしていたのです。

  CDから流れる音は、确かに私の心を落ち着け、穏やかで优しくしてくれる効果がありました。けれども随所に入る嗫きのようなかすかな声には、别の目的があったのです。それは、村井と凉子が、私の手术を担当した医师である小岛に相谈して特别に作らせた、一种の催眠疗法用のCDだったのです。

  その目的は、私に、自分は生まれながらの女であるという错覚を与えると同时に、体内での女性ホルモンの吸収を、より活発化し、ひいては女性としての本能、つまり、无意识のうちに女性としての性欲までも开花させることにあったのです。 

  そのCDを単なるリラクゼーションのためのものだと信じていた私は、その后、部屋にいる时は、ほとんどエンドレスにその音がもたらしてくれる幸福感に身を委ねたのです。これによって、私の心の女性化は急激に进み、CDを聴かなくなってからも止まることはありませんでした。実际に、あえて意识をしないと、男性としての自分を见失ってしまい、自然に女言叶を口にしたり、女言叶でものを考えている自分に気づき、ハッとする机会が増えるようになっていったのです。

  ですから、前述したような仕草、つまり、本城や田中の若い情欲を露わにした视线を受けた时に、女性としての羞耻心から、本能的にスカートの裾を気にしたり、耻じらいの表情を浮かべたりしたのは、ごく自然なことだったのです。

第13章-5

  「それじゃ、今日は、一つ目のテストを受けてもらうからね。フフフ・・。」

  凉子は、私がうつむきながら耻ずかしそうにしている仕草に、CDの効果を感じ取ったのか、満足そうな笑みを浮かべながら言いました。

  私は不安な思いを抱きながら、凉子の口元を无言のまま见つめました。

  「あなた、この前新宿で男たちの视线を浴びて、オチンチンが固くなっちゃったって言ってたけど、もしかしたら、それって私たちのご机嫌を取るために嘘言ってるんじゃないかなって思ったのよ。だって、タマタマがないのに、そんなことあるのかなってね。それで、もう一度小岛先生に闻いてみてびっくりしたんだけど、タマタマ取っちゃっても、オチンチン勃っちゃったり、射精したりもするんですってね。もちろん、精子は入ってないから透明な液体みたいだけどね。だから女として见られて兴奋したからじゃなくて、男としての射精本能があなたのオチンチンを固くしちゃったのかもしれないって。それ闻いて、ちょっとがっかりしちゃったのよ。それで一つ目のテストは、その确认をすることにしたの。フフフ・・・。あ、言い忘れたけど、その中には、ちょっとしたお薬が入っていたんだけど、気づいた? フフフ・・・」

  凉子は思わせぶりに言うと、私の目の前に置かれた、空のグラスに目を落としたのです。そのグラスは、私が十分ほど前に、アイスティーを饮み干したばかりのものです。そう言えば、どことなくいつもと违う苦みのようなものを感じられたことを思い出しました。

  「え・・・?な・・・なんかお薬が・・・?」

  私は急に不安に袭われ、口ごもりながら言いました。

  「フフフ・・・そんなに心配しなくても大丈夫よ。别に悪いお薬じゃないんだから・・・。ただ、ちょっとね、あなたの性欲を刺激するためのお薬・・・まあ、催淫剤みたいなものかな。普通の男の人なら、これを饮むと、すぐにオチンチンが勃っちゃって、我慢できなくなるんだって。でも、タマタマまで取っちゃった、あなたには効いてないみたいね。だって、何も反応してないみたいじゃない? あなたのオチンチン。フフフ・・・。」

  その言叶に、私はドキっとしました。

  と言うのも、数分前から何となく身体が火照ってきて、呼吸が徐々に荒くなっているのに気づいていたからです。しかも、スカートの中を覗かれまいと太股の上に置いた掌に、わずかに固さを増した自分の小さなペニスの反応も感じ取れるのです。催淫剤の効果は、睾丸を失っていてもはっきりと现れていたのです。

  「あ・・・あの・・・実は・・・さっきから・・・あの・・オチンチンが・・・あの・・・」

  私はじっと下を向いたまま、かすれるような小さな声で言いました。

  もしも凉子の説明が本当であるなら、催淫剤によって効果が现れるということは、喜ぶべきことでした。なぜなら、男性としての机能が完全に失われたわけではないことの証明になるからです。

  「んん?オチンチンが・・・? オチンチンがどうしたの? ええ? まさか、固くなっちゃったとか?」

  凉子はわざとらしく惊いて见せると、私の下半身に目をやったのです。

  「は・・はい・・・実は・・・そうなんです・・・オチンチンが・・・固くなって・・・。」

  私は羞耻心を抑え、正直に告げたました。いえ、本当のことを言うと、かすかだった下半身の反応が、徐々にはっきりと现れてきていて、抑制が効かなくなってきたからなのです。

  「あら・・・そうなの?なんだ、やっぱり、心の中は男のままだったってわけなんだぁ・・。ふぅん、そうかぁ・・・。なんか、残念ね。」

  凉子は落胆した表情を浮かべながら、小さくため息をつきました。しかし、次の瞬间には、口元に冷淡な笑みが戻り、言叶を続けたのです。

  「じゃあさ、ここで、みんなの前で、见せてご覧なさいよ・・・。あなたの固くなった、オチンチンを。フフフ・・・。」

  「ええ? あ・・あの・・・こ・・・ここで・・・ですか?」

  「そうよ、ここでよ。决まってるでしょ? 服を脱いで、见せるのよッ。」

  「そ・・・そんな、耻ずかしい・・・です。皆さんの前で・・・裸になるのは・・・许して・・・。」

  「何言ってるのよ?これは最初のテストなのよ。そんなことじゃ、合格なんてできないじゃない。ああ、もういいわ。面倒くさいから、充ちゃん、聡ちゃん、脱がせちゃいなさいよ。早くッ。」

  凉子は、ニヤニヤしながら私たちのやり取りを闻いていた本城と田中に目配せをしました。

  二人は小さく颔くと、村井の方に顔を向け、同意を求めるような视线を送ったのです。村井はニヤリと相好を崩すと、黙ったまま大きく颔きました。

  「い・・・イヤ・・・お愿い・・・裸にするのは・・・イヤ・・・イヤァ・・・」

  私は目の间に仁王立ちになった本城と田中に哀愿するように见つめながら身を固くしました。けれども二人はそんな私の言叶など耳に入らないかのように、下卑た笑みを口元に浮かべながら、身体を押さえつけてきたのです。

  「や・・・やめてぇーっ・・・」

  私は両手足を必死になってバタつかせましたが、屈强な二人の若者の力によって押さえつけられると、その后は何一つ抵抗らしい抵抗を示すことができませんでした。男性としての筋力がこんなにも衰えているのだということを実感させられた瞬间でもありました。

  「それにしても、ホントにいい身体してやがるぜ。なあ、お前たち?」

  「本当っすよね、オッパイの形なんて完璧っすよねぇ。ああ、たまんねぇ・・・。」

  「俺は、こいつのプリンってしたケツとシュッとした长い脚がいいっすよ。ああ、ダメだ・・・チンポ勃ってきたぜ。」

  「バカ野郎、今日は我慢しろ、凉子に言われてるんだからな。アハハハ。」

  私は、そんな下品な言叶を浴びながら、彼らのギラギラした视线を避けるように、ソファの片隅で小さくうずくまるしかありませんでした。

  「ほら、隠しちゃダメでしょ? 私たちに见せてごらんなさいよ。あなたのオチンチンが勃ってるとこ・・・。ほら、早くッ。」

  凉子はそう言うと、下半身を隠していた私の右手首をつかみ、强引に引き离そうとしました。

  「ああ、は・・耻ずかしい・・・お愿い・・・见ないでぇ・・」

  私は消え入るような小さな声をあげながらも、最后の抵抗を示そうと右手に力を込めました。けれども、それは全くの无駄だったのです。女性である凉子の腕力が、男である自分のそれを上回っていたからです。ほっそりとして力のない手首はいとも简単にねじ上げられてしまったのです。

  「あらぁ・・・确かにピンとして勃っちゃってるみたいだけど・・・。それにしてもちっちゃいわねぇ・・・。ほら、见て、见て・・・私の小指よりも小さいじゃない、イヤねぇ・・・ホント・・・これで、オチンチンの勃起なんて言えるの? アハハハ・・。」

  凉子はそう言いながら、左手の小指を、私のペニスに添えるようにして、村井たちに见せつけるのでした。

  「ホントに情けねぇくらい小せぇなぁ。だけど、これは、もうチンポじゃねぇんだろ?なぁ・・・凉子?」

  「あ、そうだったわ。クリちゃんだったんだものね。まあ、クリちゃんとしてなら、ちょっと大きめかもね・・・アハハハ・・・。」

  「お・・・お愿いです・・・もう・・・もう、许して・・・オ、オチンチン・・见ないでぇ・・」

  私は両手で顔を覆いながら、必死に诉えたのです。

  「バカね、このくらいでテストが终わるわけないでしょ? それに、オチンチンだなんて言っちゃダメじゃない。女の子なんだから、クリちゃんって言うのよ。ほら、こんなにちっちゃくて可爱いんだもの。フフフフ・・・。じゃあ、今度は、ちょっとクリちゃんの感度を调べてみようかしらねぇ・・・フフフ・・・」

  凉子は、情けないほどの小さな勃起を示している私のペニスに指先を触れてきたのです。その瞬间、ピクンっという小さな电流が全身を走り抜けていきました。

  「アン・・・い・・イヤ・・・」

  「あらあら、结构敏感なクリちゃんね。フフフ・・。じゃ、これは、どう・・・? でも、それにしてもちっちゃいわねぇ・・・。これじゃ、握ることもできないじゃない・・・情けないわねぇ・・・。赤ちゃんのオチンチンの方がよっぽど立派よ・・・フフフ・・・。」

  凉子は、人差し指と亲指で私のペニスをつまむと、村井たちに见せつけるようにゆっくりとさすり始めたのです。

  「アアンン・・・だ・・・ダメ・・・お・・お愿い・・・止めて・・・」

  小さな电流が徐々に大きな波动に変わり始め、体中を駆け抜けていきます。口元から小さなあえぎ声が、无意识のうちにこぼれ出るのを抑えることができません。

  「アア・・・アアンン・・・」

  「まあ、ホントに女の子みたいね。そんな可爱い声上げちゃって。フフフ・・・。でも、こんな可爱いクリちゃんが射精するなんて、信じられないなぁ・・・。そうだ、ねえ、あなた、私たちの前で、オナニーして见せてよ。そんな完璧なプロポーションをした女の子が射精するところなんてめったに见られるものじゃないもの。あ、そうそう、充ちゃん、ビデオ用意してよ。せっかくだから、撮っておこうよ・・・アハハハ・・・」

  私は、何度も首を左右に振りながら拒否しましたが、凉子はそんな私の反応を楽しむかのように、ペニスへの刺激を続けたのです。催淫剤で敏感になった私の身体からは、抗う理性の心が消えていきました。

第13章-6

  ビデオカメラがセットされる间に、私の右耳には、凉子からの指示を受けるための、例のイヤホンが押し込められました。もちろん、その间も私のペニスを刺激する凉子の指の动きが止むことはなく、性感の高まりは、まさに顶点の一歩手前まで引き上げられていたのです。

  『いい?じゃ、始めるわよ。フフフ・・・。あなたの目の前に写真集があるでしょ? うん、そうよ、それ・・・。あなたもオナニーするのになんか欲しいでしょ?だから、用意してあげたの。』

  私はイヤホン越しに闻こえてくる凉子の声を耳にし、性欲の高ぶりを抑えながらも、目の前に置かれている写真集に目を落としました。

  それは私のよく知っている某セクシーアイドルの写真集で、贩売时にはかなり话题にもなったものでした。実は、私はそのアイドルの大ファンで、その写真集自体も持っています。しかも、耻を忍んでお话しすると、それを使ってオナニーした経験も一度や二度ではありません。きっと凉子は、そのことを知った上で写真集を用意したのでしょう。

  『フフフ・・・惊いた?知ってるのよ、ファンだってこと。じゃあ、そのアイドルとエッチしていることでも想像しながら、オナニーをして见せてよ。あなたのそれが、クリちゃんなんかじゃなくて、りっぱなオチンチンだってこと、见せてみてよ。フフフ・・・・』

  私は写真集を手に取りページを开きました。

  実は、私には、その写真集の中にかなり気に入った作品があり、オナニーの时には决まってそれを使っていました。そこには忧いを含む思わせぶりな表情でこちらを见つめながら、抜群のプロポーションを夸示するかのように大胆なポーズをとっているセクシーアイドルの姿がありました。

  私は、そのページを见つめながら、右手をペニスにのばすと先ほどまで凉子がしていたように、人差し指と亲指で「つまむ」ように、次に来るはずの性感の高まりをを待ったのです。

  私は指の动きを速めながら、そのアイドルとの行为を想像しようと目をつぶりました。

  ところが、不思议なことに、そんな想像のシーンが全く头に浮かんでこないのです。いえ、そればかりではありません。催淫剤と凉子の指の刺激とで、顶点の一歩手前まで高められていた性欲の波が逆にどんどん小さくなっていくのがわかりました。

  私は焦りました。今まで、そのアイドルを思い浮かべながらのオナニーが途中で萎えることなどなかったからです。私は、もっと卑猥なシーンを想像しようと头を巡らせながら指に力を入れました。でも、やはりダメでした。私が彼女を犯しているというエロチックなシーンそのものが、いえ、自分が女性を犯すという行为自体が全く想像できないのです。

  私は、离れたソファに座って指示を送る凉子に视线を向けると、小さく首を横に振りました。

  『うん?どうしたの? せっかく男としてのオナニーをさせてあげようと思ったのに、できないの? おかしいわねぇ。フフフ・・・。あら? また、ちっちゃくなっちゃったじゃない? あなたのオチンチン。変ねぇ・・・ファンだったんでしょ?』

  指示された内容以外の言叶を発することの许されていない私は、首を横に振ることしかできません。

  『しょうがないわねぇ。じゃ、もう一册の方で试してみましょうか? たぶん无理だと思うけど。あなたの后ろ、うん、そう、袋があるでしょ? その中に写真集が入っているから、取り出してみて・・・・。』

  私は后ろを振り向くと、置かれていた茶色の袋に手を伸ばしました。

  (うん?これって・・・・もしかして・・・)

  そうです。その袋は、私が4日前に新宿のアダルトショップでいくつかの商品を购入した际に、手渡された袋だったのです。私は震える手で袋を取り上げると、中をのぞき込みました。

  (ああ、やっぱり・・・あの时の・・・)

  想像は当たっていました。袋の中には、あの男性ヌード写真集とグロテスクに黒光りしているバイブ、そして、目を覆いたくなるような卑猥なデザインのパンティが入っていました。

  『男のあなたが、そんな写真集见ても感じるわけはないけど、まあ、ものは试しだから、やってみましょうよ。フフフ・・ じゃ、最初に写真集を开いてみて・・・うん、そう・・・どう? なんか感じる・・・?』

  私は凉子に言われるまま写真集を开き、ゆっくりとページを缲っていきました。どのページも、たくましい若い男性のヌード写真が载っていて、中には、全裸で太く逞しい男性自身を露わにしたものあります。

  私は、とっさにページを闭じようとしましたが、なぜか心の中に引っかかるものがあって、その手を止めてしまいました。

  『あら? もしかして、兴味あるの・・・? 男のくせに男の逞しいヌード写真に兴味があるんだぁ・・・フフフ・・・。 じゃあね、これから私が言うように想像してみなさい、いい?今、あなたはその写真の男の子と二人きりでホテルの部屋にいるの。もちろん、二人とも裸・・・。彼はあなたの肩を优しく抱きしめて、唇を寄せてくるの・・・。あなたは目を闭じながら、そっと唇を开いて、彼の舌が入ってくるのを待っている・・・・。』

  私は大きく首を振ると、目をつぶり写真集から自分の视线を遮ろうとしました。

  そうでもしなければ、凉子の诱导する想像の世界に脚を踏み入れてしまいそうに思えたからです。けれども、このまま写真集をずっと见つめていたいという无意识の本能が、私の闭じた目をかすかに开かせてしまうのです。そして、凉子の声に従うように唇が少しずつ开いていくのを止めることができないのです。

  『うん、そう・・・色っぽい顔になってきた。フフフ・・。そして彼の左手が、肩から滑り落ちるように、あなたの背中から腰へと流れていって、そのまま、お尻をなで回すように爱抚してくるの・・・。やがて彼はあなたを抱き上げると、そのままそっとベッドに降ろして、また热い口づけを求めてくる。彼の右手はあなたのオッパイにのびてきて、包み込むようにそっとなで回したり、揉みしだいたりしてくるの・・・。そして、あなたの唇から离れた彼の顔がオッパイに近づいて、あなたの敏感な乳首に唇を近づけ、軽く吸ったり、舌で优しく転がしたり・・・』

  「アアン・・・」

  私の开いた唇から、无意识の内にかすかな声がこぼれてしまいました。いくら拒絶しようとしても、凉子の导く想像の世界から抜け出せなくなってしまっていたのです。

  私の右手はいつしか自分の乳房に伸び、ツンと突き出た敏感な乳首に指を这わしていたのです。

  『フフフ・・・だいぶ感じてきたみたいね・・・。やっぱり、あなたは心まで完全に女の子になっちゃったみたいね。フフフ・・。ほら、さっきまであんなにちっちゃくなってたオチンチン・・・ううん、クリちゃんが、また固くなってきたみたいじゃない?』

  私はその言叶を否定しようと、激しく首を振りました。

  しかし确かに凉子の言うように、セクシーアイドルの写真集を见つめていた时には、小さくなっていたペニスが、再びピンと固くなっていたのは事実です。同时に萎えかけていた性欲の高まりが、抑えようもないほどに大きな波になり始めているのがわかりました。

  『フフフ・・・そんな否定しようとしたってダメよ。ちゃんとわかるんだから・・・。あなたは女の子として感じてるの。逞しい男の人に抱かれることを想像して感じちゃったのよ。あなたのオチンチンは、もう女を喜ばせるためのオチンチンじゃないのよ。男の人に爱抚されるのを待っているクリちゃんになっちゃったってことなの。あなたにはもう、男としてのオナニーをすることもできないのよ。だから、これから女の子のオナニーの仕方、教えてあげる。フフフ・・・。』

  (そんなはず・・・そんなはず・・・あるわけない・・・)

  私は心の中で、自分に言い闻かせるように何度も何度も呟きましたが、他の男性を异性として感じ、それを求める欲望の高まりは衰えるどころが、激しさを増す一方でした。

  『まずは、彼にお礼をしてあげなくちゃね・・・、彼の逞しいオチンチンをさわってあげるの・・・。そこにバイブがあるでしょ?それ、持ってみて・・・そう、そうよ。』

  私は凉子に指示されるまま、茶色の袋からわずかに姿を现していた、黒々と光るグロテスクなものに手を伸ばしました。

  すると、それに触れた瞬间、ビクンとした电流が身体全体に流れたかと思うと、まるで、ずっと待ち望んでいたものを、ようやく手にした喜びのような感情が心の中を支配していったのです。

  私はグロテスクで巨大なバイブを手にすると、凉子の指示も待たずに、优しく爱抚するようにさすり始めていたのです。

  (ああ、どうして? どうして、こんなこと・・・してるの? ああ・・・どうして・・・?)

  心の中にかすかに残った理性の声が闻こえてきます。けれども、どうしてもバイブから手を离すことができないのです。 

  いえ、そればかりではありません。黒光りをしているバイブを抚でさすっていると、それが、目の前の写真に写っている若く逞しい男性のもので、自分がそれを优しく爱抚している错覚を覚えてしまうのです。私は全身が一気に热くなり、うつろな表情に変わっていくのがわかりました。

  『フフフ・・・そう、そんなにいいの。バイブが気に入っちゃったのね? とってもいい顔してるわよ。感じてるのがよくわかる。フフフ・・・。 じゃ、彼に言叶をかけてあげないと・・・。そうよ。カメラに顔を向けてね・・・そうよ。』

  「・・・アア・・・あなたの、オチンチン、逞しくて・・・素敌・・・アア・・触ってるだけで・・・奈绪美・・・感じてきちゃう・・・アアア・・・」

  私はもはや理性の力で本能を抑えることができなくなっていました。 

  自分がカメラの前で晒している行为が、凉子の指示によるものなのか、本能に导かれて、自らが进んで行っているものなのかの区别さえつかなくなっていたのです。

  『あらあら、自分からそんなこと言い出すなんて、よっぽど感じちゃってるのねぇ。フフフ・・。いいわよ、あなたの好きなようにして。爱する彼のオチンチンだもの、心を込めたご奉仕しなくちゃね。彼に喜んでもらえるようにね・・・フフフ』

  私は小さく颔くと、カメラの方に媚びを含んだ愁いのある视线を投げかけながら言いました。

  「ね・・・ねぇ、あなたの・・・オチンチン・・・奈绪美のお口に・・・ちょうだい・・・お愿い・・・奈绪美に・・・ご奉仕させて・・・」

  私はバイブを顔に近づけると、その先端に舌を这わせていきました。

  そして小刻みに震える右手で、激しい鼓动に波打っている豊かな乳房を揉みしだいたのです。

  「まあ・・今度はフェラまでして、ホント、はしたない子。フフフ・・・。でも、教えてもいないのに、女の子のオナニーが自然にできるなんて思わなかったわ。きっと、男に生まれたことが间违いだったのよ。あなたの心は生まれたときから女の子だったのよ。」

  (生まれた时から心は女の子・・・ううん、そんなこと・・・絶対にない・・・アア・・でも・・・この抑えられない気持ちは・・・何?アアア・・オチンチンが・・・オチンチンが欲しい。犯されたい・・・)

  私は、口を大きく开き、バイブの先端を喉の奥まで饮み込むと、ゆっくりと顔を前后に动かしました。

  『あらあら、そんな激しいフェラしたら、彼、我慢できないって言ってるわよ。フフフ・・・ あなたの身体の中に精液ぶちまけたいって言ってるわよぉ。どうするの?

  女の子なら、彼の要求に応えてあげなくちゃね。 でも、男のあなたには彼に犯してもらうオ○ンコがないんだものねぇ? 一体どうしたらいいのかしらねぇ・・・フフフ・・・。』

  私は凉子の意地の悪い问いかけに导かれるように、バイブを唇から离すと、唾液に濡れ一层、黒光りをましたその先端を、お尻の谷间に滑らせたのです。

  『フフフ・・・そう・・? お尻に入れてもらいたいの?。ホント、イヤらしい子。フフフ・・・。じゃ、いいわ。入れてもらいなさい。 そう、もっと奥までよ・・・そう、そうよ』 

  私はバイブの先端をアヌスに触れさせると、そのままゆっくりと沈めていったのです。

  「アン・・・アアンン・・・アア・・・」

  全身に快感の波が走り、大きなうねりになって袭ってきました。

  あれほど、苦痛を感じていた肛交なのに、太く长いバイブを饮み込んでも、痛みは全く感じないのです。それどころか、もっと奥まで贯かれたいという欲望が抑えきれないほどにふくれあがってくるのです。

  私はバイブを握る手に力を入れ、ぐっと奥まで挿入しました。

  「アアン、・・・アアア・・・」

  『すごい感じ方ねぇ。切なそうな声出しちゃって。フフフ・・・ あら?あなたのクリちゃん、すっかり固くなったみたいじゃない。ねぇ、そろそろ、イきたいんじゃない?いいのよ、远虑しないで。彼に犯されながら、イっちゃいなさい。ザーメン出しちゃいなさいッ』

  忘れかけていたペニスへの意识が、凉子の言叶で再び呼び起こされました。

  私は乳房を爱抚する右手を离すと、そのままペニスに触れさせたのです。

  しかしその瞬间、叱りつけるような凉子の言叶が耳に届きました。

  『ダメよッ、クリちゃんに触っちゃダメ。手を胸に戻して・・・そう、そうよ。バイブの・・・いいえ、彼のオチンチンに犯されながら、イっちゃいなさい。 ほら、彼の动きがどんどん激しくなっきたわよ。 あなたももっともっと、感じちゃいなさい・・・。』

  私は右手をペニスから离すと、再び乳房への爱抚を始めました。

  そしてそれに合わせるかのように、バイブを持つ左手に握りしめ、身体の奥へと导いたのです。

  その瞬间、全身を流れていた电流が一気に脳を直撃し、つぶったまぶたの裏にいくつもの星が瞬きました。

  「アア・・・ か・・感じる・・・アアン・・・アア~ンンン・・・」

  『そうよ、そのまま、イっちゃいなさい・・・。男の犯されてザーメン、出しちゃいなさいっ』

  「ああ・・、イ・・・イク・・・・奈绪美・・・イ・・・イッチャウゥぅ・・・」

  凉子の言叶が终わらない内に、太股がプルプルっと痉挛したかと思うと、小指ほどのペニスの先端から、何かが放出(いえ、こぼれ出すといった方が适切かもしれませんが)するのがわかりました。

  それは射精というにはあまりにも情けなく弱々しいもので、その液体も精液などと呼べるものではなく、精子を含まない透明な粘液にしかすぎません。けれども、それは间违いなく、私自身の性欲が顶点に达したことの証だったのです。

第13章-7

  ぼうっとした脱力感の中で、絶顶の余韵に浸っていた私に凉子が近づいてきました。撮影していたカメラもいつの间にかとめられていました。

  「フフフ・・・どう? よかった? 男に犯されながらイっちゃうのって・・・? すごく気持ち良さそうだったじゃない? あなたのオチンチンは、もう女を犯したりできないし、妊娠させることもできないの。それができるのは、写真の男の子みたいに、立派でたくましいオチンチンを持ったホントの男性だけなのよ。これからは、女の身体に射精する快感じゃなくて、男の人に射精してもらうことに喜びを感じなくちゃいけないの。だって、あなたのは女を征服したり、支配するためのオチンチンじゃなくて、男の人に触られたり、爱抚されたりするクリちゃんになったんだもの。フフフ・・・。情けない?情けないわよねぇ。男のくせに、他の男の人に屈服させられて、犯されることにしか喜びを感じることができなくなったんだもの。フフフ・・・。」

  凉子は横になったまま、肩で息をしている私を见下ろし、蔑みの言叶を投げかけました。

  こうして、彼らの言う第一のテストは终わりを告げたのでした。